家族の伝統 ターシャ・テューダー ~水瓶座の時代変化に生きる

写真集やTV番組で見たことがあるターシャ・テューダーの19世紀の農場の暮らしを思わせる暮らし。手作りの果実のジャムやはちみつ、薪の調達や蜜ろうのキャンドル、とてもたくさんのストックを物置に整理して、冬の日々に備えていました。

都会に暮らす子供夫婦や孫たちが集まってこの作業を行い、ターシャはやり方を教えたり、全体工程を采配したり、思い出話をしたりしています。

 

 

2015年の冬至、山羊座をテーマにした灯台屋さんのお茶会がありました。

このとき、ターシャの暮らしの風景、農作業を営む家族の様子をもとにして、家族の集まりの豊かさのイメージをお話しました。冬に備えて家族が力を合わせ、必要な準備作業を効率よく進める様子は、家庭の中にある山羊座のリーダーシップと感じたからです。

 

 

その後、気になってターシャのウィキペディアとホロスコープをチェックしました。

 

太陽は乙女座初期度数で、金星も乙女座です。

料理の秘訣は「近道を探さないこと」、小さな動物や草木たちとの自給自足の農場生活、あるものを無駄にしないで使い方を考える、そういう知恵が詰まった昔風の暮らしへのこだわりを実践する人なので乙女座らしいなと思いました。

 

ウィキペディアを参照しながら想像をふくらませます。

 

 

ターシャは1915年に豊かな名士の家庭に生まれています。両親とも教養のある人であり、ここでターシャの想像力が引き出されてゆくイメージがあります。

良家で不自由なく親の愛情を受けた乙女座の少女は、慎ましやかおしとやか、清楚で控えめなしっかりものでしょうか、少し臆病な人見知りでしょうか。親の教えやしつけを守りながら立派なレディになっていくのでしょうか。

 

しかし、ターシャはそんな華やかな世界が好きになれず、社交界デビューを断ってパーティから逃げ出してばかりいた。ターシャには農場のほうが魅力的でいつも牛を欲しがっていたという。読書家で話好きだった父からは想像力が養われ、肖像画家だった母からは絵の手ほどきを受け、小さい頃から絵本を作って遊んでいた。

ウィキペディア

 

13歳で「牛ちゃん」を飼う夢がかない、15歳で学校をやめて画家と農業の暮らしを志します。23歳で結婚して夫のすすめで絵本を出版します。

 

生涯を通し80冊以上の本を出版。次々と出版された作品はそれまで古典が中心だった児童文学に新風を吹き込んだ。身近な世界が舞台となった話にアメリカ中の子供たちが夢中になった。1945年(30歳)に77の詩に挿絵の入った『マザーグース』で、絵本画家に贈られる最も権威ある賞の次点作(オナー賞)に選ばれた。同年ニューハンプシャー州ウェブスターの古い農場を買い取って移住。その後1957年に数字やアルファベットの絵本『1 is One』という作品で再びコールデコット・オナー賞を受賞する。コーギー犬が大活躍する絵本『コーギービル』シリーズはターシャの代表作である。

ウィキペディア

 

月は牡羊座です。出生時間は分からないのですが、蟹座土星とスクエアの可能性が高いかもしれません。太陽の乙女座、月の牡羊座の組合せには、独立性があり、やるべきことを判断し、自分の力でなんとかする、というテーマが浮かびます。

あわせて、他の意見より自分の考えが優れていると思う、他のまずさが目につく、自分のやり方が通らないときにはストレスでイライラしたりしないかな。などと想像します。

ひょっとしたら初めのころ、自分のやり方が定まってくるまでのあいだは自信がなかったり、少し臆病だったかもしれませんね。

 

牡羊月と蟹土星のスクエアには、初期の家庭体験では愛情で見守られた範囲において自由を与えられていた様子と、それが当たり前だと本人が思っていた様子などをイメージしました。自分の子どもらしい面を両親が大切にしてくれていた、月を土星が保護しているとでもいいましょうか。

 

あのバーモント州に移り住んだのは57歳のときです。住まいや庭のあれこれをほとんど手作業で作ります。長男が多くの仕事をこなしていてターシャは彼をとても頼りにしています。牡羊座月と蟹座土星のアスペクトは、長男との関係や、子どものようなおばあちゃん、などのイメージもアリかな。

 

山羊座のイメージを重ねて取り上げた彼女でしたが、地のサインは乙女座だけでした。

山羊座と向き合う蟹座に、土星のほかに火星冥王星の合があります。そして魚座に木星があります。

ターシャの映像に見えた家族のムードは水サインの絆なのでしょうか。

蟹座と乙女座に月以外の個人天体と土星が集中してあります。毎日の安全な暮らしを守ること。農場は甲羅のなかの蟹ミソかもしれないですね。

 

 

ターシャのホロスコープには、ふたつのファイナルディスポジター天体があります。

 

乙女座の水星と、水瓶座の天王星です。両方ともにノーアスペクトです。これは独立性や自分の良さを特化していくのに役立っていそうです。

 

人との間にストレスを感じがちだけど、好きなことに全力を注ぎこんでいく。それが絵と農作業への情熱なのでしょうかね。ナンバーワンじゃなくてオンリーワンを志向するかもしれないですね。

でも現代社会ほど個人の才能を競い合わせる社会基盤がないでしょうし、もし女性が何か新しいことをやろうとしたら、前人未踏のことになるでしょう。

 

実際のところは分かりませんが、当時の社交界では、「ターシャちゃんは変わった御嬢さんだこと~おほほほほ」などと言われていたのかもしれません。

周りは大人の世界を押しつけなかったのかもしれません。こう考えると、月と土星のスクエアは、子どもの居場所を守ってくれた両親のように思えます。ひょっとしたら外の基準に合わせさせるのを諦めたのかもしれないですが。。。

ターシャは「農作業したい!」と親にわがままなお願いをし、それを本当に自分のものにするという成功体験になっているように思えます。我が道を行きたいと言ってみて、集中力、負けん気や根気を発揮し、宝物を手にしたら大切に守る。成人してからも持ちつづける記憶になるのでしょうね。

 

 

ターシャ9歳のときに両親が離婚しています。両親は子どもには田舎暮らしがいいと考えていたので、自然の多いコネチカット(両親の友人の家)にターシャは預けられます。そして、週末に母親とニューヨークで過ごす生活となります。

このあたりは月と土星のスクエアの緊張や寂しさ、それをどのように消化するかという成長ポイントになりそうです。毎日のたくさんのひとり時間をターシャはどんな楽しいことで埋めたんでしょう。動物や植物を世話したり、スケッチしたり。

 

考えようによっては親の愛情がモノや環境に置き換わっている可能性もありますが、きっと一番の家族は「牛ちゃん」で、ほかの小さい家族たちともたくさん会話をしていたんだろうなと思います。その想像力がたくさんの絵本に表現されていくのでしょう。

月と土星のアスペクトは、子どもの頃の記憶をとおして多くの子どもたちに愛情を届ける職業にも活かされています。充足があり長く続けられる仕事です。

 

農業で培った経験は自給自足の精神を育て、子供たちに絵本を作ったり花を育てたりその後のライフスタイルに大いに影響することになる。

ウィキペディア

 

 

自身が支配する水瓶座に回帰した天王星のテーマは、従来の仕来たりや階級区分よりも大勢の人が自由な雰囲気に解放される理想的な生き方や、人間らしいあり方を考えること。そしてその方向への社会変革です。これは世代の影響として現れます。

 

性別や貧富の差が生みだす問題の解消、個人の可能性や自由を制限するような仕組みへの抵抗など。苦しい生活にある人たちは不平等や解放を叫ぶでしょうし、恵まれた暮らしにある女性たちは社会貢献を志向する、女性が自分にできることで新たな活躍の場を求めていく流れが考えられます。

 

一歩前へ行くイメージが強い天王星ですが、ターシャは彼女なりのユニークな方法で挑戦しているんでしょうね。型破りでストイックで徹底しないとやった気がしないタイプかもしれません。

ターシャは一般的な裕福家庭の子女よりも早い時期から、自立の可能性や方法の模索を無意識にやっていたように見えますが、好きなことで暮らしたいという子どもっぽい動機を持ち続けられるユニークな環境であったとも言えるでしょう。

慎ましやかな日常の細部に愛情を注ぐ、毎日毎日やっていることをずーっと続けていけることが幸せの形。このような乙女座の精神を実践することで、水瓶座の時代変化に生きたのでしょう。

 

 

ターシャ自身、4人の子をもうけたあと46歳で離婚し、もう一度結婚と離婚をしています。

日常の営みこそがターシャのアイデンティティ、理想とするライフスタイルを譲らないのかなと想像しました。

すこし寂しいかもしれませんが、子どもたち、コーギー犬のほか小さなパートナーがたくさんいますからね。だからしっかりシャキッとしているんですよね。頑固者ではなくて、信念の人ですね、乙女座だから。

独立性が強いからこそ身近なものと強く結びつく。その小さき世界を守るために、強い独立心と自立心が必要なのでしょう。

 

それにしても時代に流されないってすごいですね。あくせくしない人間らしさへの回帰、日常から消え去っていく伝統的な要素のノスタルジー、そこに共感する人も多いのでしょう。

昔のことを知らない世代にとってはターシャの存在そのものがファンタジーのようです。

ターシャのファミリーのクリスマス、想像するとうっとりしますね。