nicoの星宙予報 2021 獅子座

 占星術的に考えた場合、「隠れていた事実を明らかにする」という象徴は、基本的には陽エネルギー、特に太陽=獅子座の象徴であると考えられる。

 

 火星が獅子座を運行し始めたのが6/11。それからダメ押しのように、隠されていた様々な事実が明らかになっていった。
タロットカードの順序で考えてみると、18番目の月のカードを経て、19番目の太陽のカードへと向かうという流れ。これは、「隠れていたのか、隠されていたのか、いずれにしても事実はずっと変わらずそこにあった」と解釈する。
 つまり、急に降ってわいたような話ではない。忘れていたのか忘れていたふりをしていたのかはわからない。しかし、問題はずっとそこにあった。そして、遅かれ早かれ物事は明らかになるということだ(偶然だが、五輪エンブレム問題が発覚したのは2015年の太陽獅子座期だった)。

 

 先に火星が獅子座入りをしていたが、今日(7/22)から太陽も加わることで、オリンピックの実態、コロナの感染状況、ワクチンの供給状況と、様々な「隠れていたこと」が明らかになると考えられる。これこそがアポロン神のデルフォイの神殿の門に刻まれた二つのメッセージ「汝自身を知れ」と「何事も過ぎることなかれ」に求められたテーマなのだ。

 まずは自分の実態を知ること。そこからしか新しいものは生み出せない。

 

 これまで勉強会やワークショップ等でトランジット(時期読み)を取り上げるたびに、2020年のオリンピック開催の難しさと、そして2021年の強引なまでのオリンピック開催の可能性を伝えてきた。そのとき不思議なくらい繰り返されていたのが、獅子座=ハウスの強調だった。

 星々は、私たち日本人に一体何を求めているのだろうかとずっと考え続けてきた。コロナ対策、ワクチン接種、オリンピック開催だけでも様々な意見の対立や断絶がある中、一体、どのような獅子座=ハウスを目指せばいいのか。日本が課題にしている獅子座=ハウスとは何なのだろうか。

 オリンピック開催の是非よりも、日本が目指すハウスとはどのようなことだろうか? それをずっと考え、いろいろな表現で語り続けてきた。

 

 子供たちが憧れる未来をつくろう。

 世界から一目置かれる存在として、日本という国の魅力や個性を見せていこう。

 抑止力として、日本の強みをプレゼンテーションしよう。

 日本が世界に誇れるものを育てていこう。

 

 似たような表現だが、このような言葉をこの星宙予報でもお伝えしてきた。

 

 心理占星術の考えでは、このように繰り返される象徴とは、「未解決な問題」「そこにある危機」を示す。したがって、日本は自分たちが誇りに思えるものを何も持っていない、私たちは未来につながる価値を実感することができていない、ということになる。

 

 いったい、どうしたら自信を取り戻せるのだろうか。

 それには、やはり勇気を持って「今までの当たり前」を手放すこと、過去の成功体験ではなく、太陽の純粋な創造のエネルギーを使って、ここからまた新しいものをつくろうという努力をする必要があるだろうと考える。

 

 実際、十分なテクノロジーもある、良質なデジタルインフラもある、にもかかわらず、既存のやり方にとらわれ、国/企業/個人も「面倒を起こさず、無難にやっておけばいいや」と、まったく新しい価値をつくりだすことができなかった。そこが諸々の弱体化へとつながったのではないだろうか。

 

 占星術の見立てでいうと、獅子座―水瓶座の不動サインのテーマ——未来の価値づくりのためのイノベーションが求められているのだ。

 特に、獅子座に火星が入った頃から、水瓶座的象徴(水瓶座土星、牡牛座天王星)と火星が強力なコンタクトを取っていることを、講座や研究会、鑑定等で繰り返し伝えてきたのだが、いま必要なのは、「今までの当たり前」ではなく「例外的ではあるけれど可能性を感じるアイデア」のほうを積極的に選んでみようということだ。

 ここ年の日本における様々な流れを見ていて、「これまでのやり方で無難にやっておけばいい」「惰性でもなんとかいけるだろう」で上手く進んでいるものなど見たことないではないか?

 いまだにあれこれとしがらみやら忖度が働いている国や企業ならともかく、自分自身が自分のための選択をするのに、そんな退屈でそんな魅力のない選択をなぜする必要がある? もっとチャレンジングで魅力的な選択ができなかったら、いつまでたっても自分に自信を持てる日など来ないのではないだろうか?

 

 それはあらゆることにも言えるだろう。

 たとえば関係性においても、誰に何の遠慮をして、うまくいっていないやり方にしがみついているのだろうか?

 なぜ、自分が正しいと思える選択を怖がっているのだろうか。

 

 もしも、オリンピックというチャンスをもらえるなら、またはコロナ対策で起死回生を狙えるのなら、秘策をどんどん試すしかない。上にも下にも左右にも気を遣い、顔色伺いながら進めようとしてもうまくいくことはない。

 実際のところ、人はやったことのないチャレンジに乗ってみようと思うものだ。職域接種はさておき、未来の可能性に賭けるという意味でも、人によってはワクチン接種自体、獅子座的行動とも言えるだろう。行動の範囲が広がるかもしれない、これで孫にも会えるかもしれない、そういう明るい未来への投資の意味もある。

 

 ここで、獅子座イングレスチャートを見てみよう。

 このチャートで一番力をもっているのは、もちろん獅子座の太陽である。天体の品位も高い。この太陽はハウスの支配星であり、さらにハウスに火星金星が入室していることからも、5ハウスの強調を読むことができる。

 前述の「子供たちに誇れる、世界に誇れる日本」を見せていく時だとわかる。

 個人も同様であり、何かしら未来の可能性に賭けてみる、そんな勝負に出てもよい。

 「これまでと変わらない無難な選択」ではなく、自分の未来を明るくするもの、豊かにするもの//活動に本気で賭けてみることで、自信を取り戻すことができるかもしれない。

 

 おそらく、このチャートでもっとも弱いのは、山羊座の月(デトリメント:ー5点)と乙女座の金星(フォール:ー4点)である。となると、地エレメントに問題ありと読むことができる。地エレメントは、お金や身体といった物理的なテーマを象徴する。それが下がったり落ちたりして、打撃を受けるということだ。暑さによる身体的ストレス、またコロナ感染者の増大、オリンピック開催による経済的圧迫、外国人来日の受け入れの不安なども地エレメントの物理的問題となるかもしれない。実際、冗談抜きで感染の不安は日々ふくれあがっている。

 ユングの4つのタイプ論で言えば、直観タイプ=火エレメントと実感タイプ=地エレメントは、同時に働かせることができない。あっちがよければ(=優越機能)こっちが悪化する(劣等機能)。お金の心配、身体の心配などしていたら、先行投資やら未来に賭けるなどといったチャレンジングな勝負には出られない。

 まあ、もうここまで来たら、一度は火エレメントに勝負に出るしかないだろう。

 

 やると決めたらやる。

 この活動、この関係、このプロジェクト、このイベント…

 

 勝負に出た結果は、すぐに返ってくることはないかもしれない。

 けれど、いちおう火エレメントは神の庇護のもとにあるのだ。純粋な気持ちで身を投じれば、何らかの進歩を感じられることになるだろう。

 

 皆さんは、この夏、いやこれからの未来、何に勝負を賭けることになるだろうか。

 結果を怖れず、自己を他者を運命を信頼し、勝負に出ることができるだろうか。

 

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