nicoの星宙予報 2022 蠍座~本当につくりたいもののために徹底して価値に向き合う

 日本は、衰退化、弱体化の一途をたどっている…この年、このような文言を日常的に目にする機会が増えた。ようやく危機感を募らせたのだと、むしろ安心する。「強い日本」をようやく諦めることができたのだと。

 

 10/23のニュースでは、トヨタ自動車が半導体不足の影響を受け、11月に最大9日間、国内8つの工場で生産ラインの一部を稼働停止すると発表した。2022年度の生産台数も当初の計画を大幅に下回る見通しだと言う。物価高、物資不足、円安の流れは相変わらず続いている。外国人観光客の爆買いは多少の円安緩和にはつながるのかもしれないが、「安いニッポン」ばかりを求められるのはあまり愉快なことではない。

 

 習近平は中国最高指導者としての続投を決め、ここから期目に入る。ロシアはウクライナに対し「核の脅し」を重ねている。「安いニッポン」は、ここからどのように世界と戦っていくのだろうか。

 

 個人においても同じことが言えるかもしれない。

 自分にとっての不足感をどう乗り越えるのか。自給自足だけでは難しいなら、どのように外部環境を利用していくのか。その際、自分にとって不利な状況にならないよう、どう外部と向き合っていくのか。課題は山積みだが、明るい希望を見出せないでもない。

 それらを踏まえてイングレスチャートを見てみると、ハウスの強調がまず目につく。ハウスの強調とは、そこに解決すべき課題と未来への可能性があると読むことができる。この蠍座期は、ハウスに取り組むべき課題と未来への足がかりがあるといえるのだ。

 さて、それをどう読むか。

 その前に、あと二つのチャートを見てみよう。10/25に起こる新月=部分蝕のチャート、そして11/8に起こる満月=月食のチャートである。これらのチャートもイングレスチャートと同様に、ハウスが強調されているのだ。

 

 

 

 蝕は、次の蝕が起こるまでの期間、そのテーマが有効であることから、イングレスチャートよりもやや影響が強いと読むことができる。いずれにしても、この週間で起こる天文現象は、すべて5ハウスがテーマになっている。このハウスが示す課題を引き受け、可能性を拓くことができれば、「弱いニッポン」=「弱いワタシ」から脱出する道、活路を見出せるかもしれない。

 では、ハウスとはどのような解釈をすればいいのだろうか。

 

最近、天文ファンをにぎわせているのが、11/8の月蝕だ。月は18分から欠け始め、1916分に皆既食となるが、今回の月蝕では月が天王星を隠す「天王星食」も同時に起こる。それがこのチャートである。

 ハウス、ハウス、11ハウスにTスクエアという二等辺三角形ができているのがわかるだろう。5-8-11ハウスは、不動サインが支配しているサクシーデントハウスと呼ばれ、国や企業/個人の存在の価値をどう育て、どう発展させ、その価値をどのように外部に対し循環させていくか、に関連している。

 

 それは、私のお気に入りの言葉である「time tested=時間にテストされる」、つまり時に耐えうる価値でもある。これはまさに、今もっとも旬な政策、ビジネスモデルでもある SDGs と言えるだろう。

 先進諸国に比べたらかなり出遅れている感はあるが、国も企業も個人も今こそ本気でSDGsに取り組むべき時が来たのではないか。

 「ウマい、早い、安い」「良いものを安く売る努力」といった消耗戦ではなく、適正な値決めをして、持続可能な良いものを生み、育て、循環させていくことに取り組んでいく。誰も犠牲にならない、関係するすべての人々が豊かさを実感できる循環をつくっていく、そういった仕組みを考える必要がある。

 それがハウス、またはハウスを起点とした、-8-11の循環になるだろう。

 

 それを踏まえると、日本がものづくりで失敗したことの一つには、このハウス的な「自分たちのつくりたいものをつくる」という発想の欠如だったのではないだろうか。他社と比べて劣らないように、けれど浮かないように、そういった「右へ倣え」あるいは「出る杭は打たれる」的な精神が、独自性や個性を失わせ、結果、国内外の競争力を失ってしまったのではないだろうか。もう、そろそろそんな精神は手放してもいい。国も企業も個人も、そろそろ本気でハウスをやるべきときが来たのだ。

 フェラガモジャパンの元CEOの得能摩利子氏はこのようなことを言っている。

 

ブランドがブランドであり続けるためには、マーケティング活動を抑えるべきと考えている。市場のニーズに合わせ、競合他社を参考にしながら商品開発を行えば、どのブランドも類似した特徴のないものになってしまう。

 

 周囲は気にしない。

 本気で自分たちのつくりたいものをつくる。

 本気で自分たちの住みたい国をつくる。

 本気で自分の理想を育てる。

 

 そういう姿勢が「強いブランド力」を生み、そこから未来への希望が見えてくるのではないだろうか。

 

 だが、5ハウス的な活動は、そういった意味で非常に孤独な営みでもある。理解を得るには時間がかかるし、暗い時間が続くこともある。こうした難しさをタロットの小アルカナカードはこのように教えてくれている。

 

 

 これらを見て、どのような印象を持つだろうか。

 

 右へ倣えの姿勢は手放す。

 勇気をもって信念を貫く。

 時間をかけて価値を育てる。

 求めている価値がないなら自分でつくる。

 既にある価値を簡単に手放さず、手直しして、大切に扱う。

 

 どうせ失われた30年なのだ。今さらじたばたしても始まらない。ここは腰を据えて、ここから持続可能な国/企業/個人づくりをしていけばいい。

 皆さんは、どのようなハウス体験をするのだろうか。今、これから先のイメージがどんなふうに頭に浮かんでいるだろうか。

 

 

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