魚座=12ハウスの真実を呼び覚ます力、今こそ衝動ではなく計画を ~2025 双子座期のおさらい編

心理占星術家nicoによる「星宙百景」。毎月、太陽がサイン移動した瞬間のホロスコープ(イングレスチャート)を分析し、わたしたちの暮らしと天体の運行から「今」を読み解きます。

おさらい編では、先の未来を読み解いた星宙百景の記事をセルフレビュー。

先月お伝えしたチャート読みの内容と、実際に起こった出来事を nico の視点で振り返るショート・レポートです。

 小泉進次郎氏が農林水産大臣に就任したのが5/21、まさに太陽が双子座にイングレスした日のことだった。そこから日本は米、米、米、米に関するニュースが連日盛り上がっていた。「就任してから〇〇日。わたしはこんなに安くしてみせましたよ」というドヤ顔の小泉農水大臣を見るにつれ、「いやいや、食問題は短期決戦では解決できないんだよな」と備蓄米を大量放出した後の未来を思い、憂鬱な気持ちになった。

 真意は定かではないが、中国は食料安全保障を重視しており、穀物や食用油などの農産物を大量に備蓄している、全国民が優に三年は暮らしていけるだけの貯蔵があるという。食料だけではない。エネルギーの自給率の低さを考えると憂う気持ちしかない。

 そんな矢先、世界では蜜月関係にあったトランプ大統領とイーロン・マスク氏が罵り合う様子がニュースに流れ、「不法移民の排斥」に反対するロス市民が激しい抗議行動を行い、その余波がいまも続いている。トランプ政権によるハーバード大学への圧力とか、学生ビザ申請者にSNSの公開要求といった報道が相次ぎ、おいおい冷戦時の東ドイツかよ、天安門かよと思うような時代錯誤な政策に胸が締めつけられた。

 と思ったら、国民民主党が擁立した候補者の一人、山尾氏(菅野志桜里氏)の公認を取り消すというニュースがあり、と思ったら、6/13、イスラエルがイランに空爆を仕掛けたというニュースが飛び込んできた。

 いまだイスラエルによるテヘラン市街への攻撃は続き、アメリカも参戦するしないといった不穏な報道が流れてきている。レバノンでポケベル型の通信機器などが爆発して多数が死傷した事件をパロって、ネタニヤフ首相がトランプ大統領に「金色のポケットベル」をプレゼントしたとか。なんてひどい世の中だ。一ヶ月で戦争を終わらせるどころではない。このままでは戦争が広がっていく可能性もある。

 ヨーロッパ各地では6/15、オーバーツーリズムに対する大規模な抗議デモが相次いで行われた。観光客向けのホテルや民泊の増加による住宅費高騰などに対しての抗議ということだから、日本も他人ごとではない。

 日本は日本で、小泉劇場Part2の効果か、自民党の支持率が回復し、野党は勝手に自滅していき、そして6/20に国会が閉会し、このまま参院選へと突入する。


 なぜこんな大きな波が次から次へと襲ってくるのだろうか。
 6/7のブログでは、こんなことを書いていた。

土星、海王星は牡羊座に、木星は蟹座に移動し、活動サインの様相が社会的にも強くなってきました。

今、トランプやイーロンマスク、小泉進次郎など、世界中で活動サイン強めの人たちが良くも悪くもわちゃわちゃやっていますが、活動サインが強まれば、遊びやゲーム、実験、検証(柔軟サイン)から、勝ち負けの勝負や縄張り争い、結果を求める動きが活発になります。そのとき、ただ勝負に勝ちたいだけで相手と敵対するのでは、醜い泥仕合に陥ります。

https://nicosmic21.hatenablog.com/entry/20250607/1749262199

 ここから木星の期間として1年、土星の期間として3年、そして海王星の期間として14年間、活動サイン的なテーマが続く。とにかく、この1年は間違いなく世界は不穏な動きがあちこちで起こってくるだろう。その時、どのような力が必要になるのか。6/24(火)の月イチ勉強会「夏至図読みの巻」で詳しく考えていきたい。

 その前に、やはりここでもう一度、12ハウスについての理解を深めておこう。 以下、改めて牡牛座期と双子座期のイングレスチャートをみてほしい。

2025年太陽・牡牛座イングレスチャート
2025年太陽・双子座イングレスチャート

 2025年の牡牛座、双子座期のイングレスチャートは、12ハウスの強調が目立っていた。
12ハウスについては、過去の星宙百景でこんな説明を書いている。

 12ハウス=魚座=海王星とは、これまで身につけた知識(双子座)、技術(乙女座)、専門性(射手座)を新たな視点で見直してみること。そして、そこからまだ試したことのないアイデアに着手してみること。新たにインフラを整備することで、環境に柔軟に適応していくこと。それが魚座=海王星=12ハウスの目標だと。

 ということで、今期の牡牛座期は「今」を受動的に受け止めるのではなく、次の一手を打つ、その準備を始めることだ。最近、よく耳にする話題だが、「トランプ関税は日本の改革の好機になるだろう」というのは、まさにそういうことだ。ピンチは、トランプ関税だけではない。停滞した状況に対して、どのようにメスを入れていくか、それこそ12ハウス=魚座=海王星の出番なのだ。 

世界は刻々と変化している、これまでの視点を捨て状況を主体的に物事を動かす力をもつ ~星宙百景 2025 牡牛座

 もしかしたら、12ハウスをこんなふうに考えることもできたかもしれない。12ハウスの象徴のひとつに「カルマ」という意味が与えられている。なぜかというと、魚座・12ハウスは、最後のサイン、最後のハウスである。つまり、ここでこれまでのふるまいを「清算」しなければいけないのだ。身近な例で言えば、「借金を清算し、裸一貫やり直す」「こじれた人間関係を清算し、それぞれに新しい道を歩む」「トラブルを清算し、ゼロから人生をやり直す」とか。とにかく目の前にある問題は、ここまでの自分の行いの当然の結果であり、当然の報いなのだ。結局、すべてが自業自得なのだ。

土星が魚座から牡羊座へ、迫られる土星二周分の清算とリスタート ~2025 牡牛座期のおさらい編

または、こんな解説も加えている。

 情報科学者・安宅和人のベストセラー「イシューからはじめよ」ではないが、アイデアやビジョンは、イシューからしか出てこないのは至極当然で、耳なじみのいい夢物語ではなく、イシュー=問題提起が的確であればあるほど、理想の政権運営に、ひいては国家運営に近づくのではないか。そのように思うところである。

取り組むべき本当の「イシューからはじめよ」、いま清算すべきことは何か ~星宙百景 2025 双子座

 この二ヶ月を過ごしてみて、皆さんはどうだろう。本当の本当のイシューを見極めることはできただろうか。
 安宅氏が魚座生まれということもあるが、まさに魚座はイシューのサインであることを実感している。

 世界が自分の思い通りになってほしいというエゴを手放さないとイシューまでたどり着くことはできない。全体の「さいわい」を考える力がないとイシューを見極めることができない。真実を知りたいという欲望を手に、飽きることなく思考をこねくり回さなければ、イシューそのものの全体像をつかむことができない。イシューとは、抽象概念と具体概念の統合そのものであり、現実、解決から一旦離れる勇気が必要であり、遠回りに見えるが、しかし最短距離で理想に近づくことができるものなのだ。

 つまり、魚座=12ハウス、または海王星とは、大いなる真実を探求するサイン、大いなる事実認識のサインなのだ。

 土星、海王星が魚座(12ハウスの支配サイン)から牡羊座(1ハウスの支配サイン)に移動したときに起こった動きや出来事を見れば明らかなように、魚座=12ハウス、または海王星とは、否が応でも幻想を打ち砕き、真実を呼び覚ます力を持っている。これまで心の奥に押し込めていた違和感を刺激し、次なる行動に向かわせる準備をする。だから、牡羊座に入った途端、思い通りにならない現実に嫌気が差し、いてもたってもいられなくなり、衝動的に行動を起こす。かつてアラブの春がカーディナルクライシス(活動サインのハードな組み合わせ)の時に起こったこと、そして今回の世界各国のデモを見れば明らかだ。

 だから、衝動ではなく計画が必要であり、全体のさいわいを考える力、考えをこねくり回す力が必要となる。

 というように魚座=12ハウスの可能性についていくつか挙げてみた。皆さんの12ハウスはどのようなものだっただろうか。10月以降、海王星、土星は再び魚座へと戻って来る。そのとき、まだ見つかっていない人もこのタイミングで真のイシュー、大いなる真実との出会いがあるかもしれない。

 コメ問題で大騒ぎする最中、米以外の食料品も上昇を続けている。トランプ関税の行方次第では、年末にかけて景気が冷え込む恐れもある。実際、問題は山積みなのだから。

 

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さまざまな話題を心理占星術的視点で取り上げながら、象徴の考え方やリーディング力の向上と心理カウンセリングへの理解を深めています。

今月は、「夏至図リーディング」と「カップルの関係性」を取り上げます。

前半は、2025夏至図読み。
2025年の夏至は、珍しいチャートになっています。
ホロスコープを出力するアプリケーションによって、アセンダントは乙女座または天秤座。ほんの数秒でどちらになるのか。非常にまれなケースですが、この状況をどのように捉えるのか。

社会情勢には活動サイン優位になっているように見えますが、柔軟サイン(乙女座)と活動サイン(天秤座)の行動様式の違いが、今後どのような実を結んでいこうとしているのか、考えてみましょう。

そして、後半は現場の検証会。
最近行った鑑定事例を用いて、関係性を通して、クライアントの欲求を発見する方法を考えます。

二人の男性のどちらとつきあったらよいのか
表面的には恋愛相談、しかしチャートを見るとクライアントの欲求は別のところにあった、というのは現場でよくある事例です。その欲求は、どのように探り出せばよいのか、nico が最近あらたに見つけた仮説とともに検証してみましょう。

「全ての悩みは人間関係にある」nico が繰り返し引用するアドラーの言葉ですが、その人にとっての他者とは何か。もしかすると、それは自分の中にある「他者性」なのではないか。今回は、そうした視点も併せて考えながら、人間関係の力学をとらえ直してみたいと思います。

どなたでもご参加できます!