私はガーデニングが趣味で、狭いベランダで所狭しと植物を育てているのだけれど、この季節ほど、植物が外へ向かって伸び伸びと育つ時期はない。こんなところからも芽が出てきた! あっちからも! こっちからも! と驚くほどの生命のほとばしりというか、生き生きとした命の力を見ることができ、まさにガーデニングにとって最高の季節がこの双子座期ということだ。
射手座・木星だけではなく、柔軟サインには「成長」という言葉を当てはめているが、このように自然界の植物を見ていると、もしかしたら、双子座/双子座期にもっとも外界に広がりを生み出すことができるのではないか、ここで広がり方を習得することが大事なのではないかと思ったりする。
植物たちを見習って、外部を恐れず自分のリーチできる範囲を広げてみる。まずはそこからはじめてみたい。
しかし、青々とした新しい芽は、最初はいかにも繊細でもろく傷つきやすい。ちょっとした刺激にも芽を落としたりするかもしれない。ただ、それも最初のうちだけだ。あっという間に“いっちょうまえ”になるのだから、恐れず、広がりを生み出していこう。
そこで、今回の双子座期の目玉は、何と言ってもバイデン大統領の来日、ならびにクアッド首脳会議となるだろうか。多くの場合、天体が風エレメントを通過するときは、何かしら風が起こる。「風が吹けば桶屋がもうかる」というように、風が起こるとあちらこちらに刺激が生まれ、それによって思わぬ結果が引き出されることもある。
中国の反発、北朝鮮の威嚇などは想定内だが、今後これがどのような動きへとつながっていくのか、バイデン大統領の台湾政策に対する発言(失言かリップサービスなのか)の余波がどう他国に影響を及ぼすのか、これからの流れが気になるところである。
2022年の双子座期のイングレスチャートのASCは獅子座。ASCはこの時期に身につけるべきふるまい、生き残るために必要な力と読むことができるが、これが獅子座ということは、まさに日米会談での岸田総理の「アメリカの対日防衛コミットメントの根幹をなす『拡大抑止力』は、ますます重要になっている」という発言そのものということになるだろうか。
「抑止力」というのは、実際、獅子座が持つテーマそのものである。自国の力、価値を誇示すること、その中にはパートナーシップや未来に獲得しうる価値も想定されている。
組むべき相手とどのようなパートナーシップを生み出していくのか。
もちろん、そこには痛みもある。外界は、自分の思い通りにならないことであふれているのだ。人も環境も自分の思い通りに動いてくれない時、どのようなときを過ごすのか。そのふるまいこそが、今期の学ぶべきことなのだ。
苦手さやコンプレックス、弱点をチクチク刺激され、手放したくなる体験もするかもしれない。しかし、すべてはここからだ、チャートから見てもらえる通り、木星、そしてここから火星が牡羊座の初期度数でコンタクトを取る。火星・木星が牡羊座で合するのは、25年に一度のことだから、やはりこのタイミングは大切にしたい。
今期はそれが8ハウスで起こっていることから、その痛み、不安、弱点への刺激こそが、双子座期に鍛えるべきテーマとなるのかもしれない。つまり、自分にとって苦手だと感じるもの、違和感を覚えるものこそ、力になるということだ。
その体験をどのように引き受けるか。自分を丁寧に観察してみてほしい。