星宙百景 おさらい編 ~2024 牡牛座・わたしたちの暮らしと天体の運行から「今」を考える

心理占星術家nicoによる「時期読み百景」。毎月、太陽がサイン移動した瞬間のホロスコープ(イングレスチャート)を分析し、わたしたちの暮らしと天体の運行から「今」を読み解きます。

おさらい編では、先の未来を読み解いた星宙百景の記事をセルフレビュー。

先月お伝えしたチャート読みの内容と、実際に起こった出来事を nico の視点で振り返るショート・レポートです。

 

いつもの通り、この一ヶ月を振り返りながら、自分が予測したことを検証し、必要ならば加筆修正をしていきたいと思う。前回の星宙百景・牡牛座期編では、以下のことを書いた。

 4/28に岸田政権の行く末を大きく左右する衆院トリプル補欠選挙がある。2敗が確定した自民が、島根1区で議席を守れるかが最大の焦点なのだが、春分図読みの勉強会でも話した通り、半球の上半分が強調されているときは、いい意味でも悪い意味でも与党の動きが活発であり、そして半球の半分が強調されているときは、いい意味でも悪い意味でも野党の動きが活発である。ということは、4/28の補選の流れは野党優位に結果が働くと考えられるだろう。 島根は、自民と立憲民主の一騎打ちなので、流れは立憲民主の候補者にあるということになる。

 イングレスチャートによれば、MCルーラー(与党)の牡羊座金星はデトリメント(-5点)、一方、ICルーラー(野党)の魚座火星はトリプリシティ(+3点)ということで、圧倒的に野党優位と解釈できる。

 しかし、レセプション関係(牡羊座から見たら火星はルーラー、魚座から見たら金星はイグザルテーション)で見た場合、この2天体はお互いにとって心地よいディグニティ関係にあることから、かなりの混戦ということだろうか。

 その際、できれば立憲民主党には、打倒自民党の先の、その未来に賭けたいと思えるようなビジョンを見せてもらいたいと思う。そうすれば、もしかしたら6月末の衆議院解散後の選挙までに野党一致の政策を掲げることもできるかもしれない。

傍観者にならない、自分事として自分なりに力を注ぎ、聞きなれない言葉にも耳を傾ける。 ~星宙百景 2024 牡牛座

補欠選挙。ずいぶん昔のことのようだが、今、まさにこの通りに事が進んでいるのではないだろうか。

世論調査では、新聞各社いずれも、現状の自民党を中心とした政権の継続ではなく、「政権交代」を望む回答が多かった。当然と言えば当然の結果だ。

2024年太陽・牡牛座イングレスチャート

ここで視点を春分図に戻してみたい。
牡牛座期に私が最も驚いたのは、5/18に流れた「自公連立に亀裂顕在化 自民が規制法改正案を異例の単独提出」というニュースだった。


これは、まさに春分図の1ハウス・獅子座・月―7ハウス・水瓶座・冥王星の象徴――こちらの理想とあちらの理想のシーソーゲーム、こちらの欲望とあちらの欲望のせめぎ合い――ではないだろうか。

春分図から時を経た今でも、月―冥王星がこれほどまでに長く、深く影響力を持つのは正直言って驚きだ。

しかし、結局すべての関係性、すべての物事がもともと月―冥王星の問題を孕んでいるのだろう。世界は常にこういったテーマ――お互い、それぞれの思惑があり、拮抗するバランスの中で、それでも生き残るために、どうにかして関係性を維持していく必要がある――に直面するものなのかもしれない。それが夫婦であれ、仕事上のパートナーシップであれ、国家の外交関係であれ、多くの関係は離れたくても離れられない利害関係の真っただ中にいるからだ。相手の力なのか数なのか、何かしらをお互いが享受しあっている。

自民党が単独で過半数を取れない場合の備えとして公明党を必要としているように、議員数を減らし続けている公明党だって自民党との連立から離れるわけにはいかない。

野党もそうだ。4/28の補選がいい例だろう。島根と長崎では、立憲と国民民主、共産、社民という、現状考えうる最も大きな「野党の構え」が出来上がったが、それぞれの思惑が一致しているわけではない中での協力関係であった。

では、ここからどうしたらいいのか。
ジャーナリストの尾中香尚里は、今後の立憲民主党に必要な「構え」として、このようなことを言っている。

立憲は「野党でまとまれ」の呪縛から離れ「自力で政権奪取を目指す」姿勢を明確にすべきだ。「孤高で戦え」と言うのではない。下手な候補者調整をするより、立憲が前面に出た方が、むしろ野党陣営は大きくまとまれる、とみるからだ。

これはまさに月―冥王星の解決方法になるのではないだろうか。

そうなのだ、自民党しかり、立憲民主党しかり、「単独で過半数を」という意識がない限り、誰と組んでもうまくいかないのと同じように、私たちも「自力でどうにかする」意識を持つ必要があるのではないか。誰かが何とかしてくれるではなく、「まずは自力で」という主体性を持つことが大事になる。「孤高で戦えというのではなく」、自分が矢面に立って、自分で責任を引き受ける覚悟で相手の懐に飛び込んでいく、それくらいの勇気が必要なのではないか。それができないのなら、さっさと敗北を認めたほうがましだ。

そして、または月ー冥王星は、月=既存の思惑を手放し、水瓶座・冥王星=他者のフィードバックに身を委ねる覚悟も必要になるかもしれない。もう、自分たちの思い通りにいかないことは十分すぎるくらいわかったわけだから、ここから先は、「自分たちの力が至らなかった」ことを認め、野党の意見に謙虚に耳を傾け、企業・団体献金の禁止を受け入れるか、政党交付金の受け取りを辞退するか、決断するしかない。もう「二重取り」が許される政治状況ではないのだ。

私たち個人も、もしかしたら生き詰まった状況の中で、「謙虚に耳を傾け」、これまでのやり方を手放さざるを得ないこともあるかもしれない。

それを思い知った牡牛座期となった。