星音の履歴書 ー 乙女座 アントニン・ドヴォルザーク、水星の作曲家

ドヴォルザークはチェコの後期ロマン派を代表する作曲家であり、代表作に、交響曲第8番、交響曲第9番『新世界より』、スラヴ舞曲集、『ユーモレスク』、弦楽四重奏第12番『アメリカ』があります。

 

 

計算されて織り上げられた美しいタペストリー。 ドヴォルザークの作品を聴くと、そんな印象が浮かびます。経糸、緯糸はどの部分でどんな色が現れ、全体の中でどう描かれるのか。緻密に計算されて作り上げられ、細部と全体がうまくまとまった作品。 親しみやすい作品のその中に、様々な音楽が含まれています。ボスニアの民族音楽から、アメリカの黒人霊歌まで。そのエッセンスは彼自身の音楽と、うまく融合しているのです。

 

では、その音楽と星とのかかわりはどうなっているのでしょうか。

ドヴォルザークの太陽は乙女座。そして月は双子座です。 この二つのサインの支配星は水星。そしてその水星はチャートの乙女座太陽には寄り添うように配置されています。地と風という異なるエレメントは、水星という天体によって結びつけられています。

 

水星の人、ドヴォルザーク。

ドヴォルザークの音楽には、絶妙な主旋律と伴奏のバランスがあり、弦楽器の奏でるメロディの後ろでは、木管楽器が静かに背景を描き、そして入れ替わり旋律が木管に移り、その背景は弦楽器となり、移り変わりながら音楽は流れてゆきます。 入れ替わり、立ち代わりながら、奏でられるハーモニーは、弦楽四重奏、交響曲の中で特に感じられ、その計算され整えられたバランスは自然であり、思わず目を閉じて聴きたいほどに美しいのです。

 

乙女座の目標とするもの、それは環境との調和。 それはあなとわたしであったり、周囲とわたし、環境とわたしという関係性の意識です。そしてそれは旋律と伴奏についてにもいえることです。

 

ドヴォルザークの目指すハーモナイズは、交響曲の中にもしっかりと感じられます。 多種類の楽器が一つ一つ重なるように作られた層に溶け込むメロディは、伴奏と一体となることで、際立っています。水星の技術力を伴いながら、実感豊かな地のエレメントの太陽は、周囲と一つになるような音楽を作り続けたのです。

 

ドヴォルザーク「交響曲8番3楽章」

 

アントニン・レオポルト・ドヴォルザーク(Antonín Leopold Dvořák)
1841年、プラハ近郊のネラホゼヴェスで生まれる。

実家の肉屋を継ぐ修行をするが、音楽の道をあきらめられず、プラハのオルガン学校に入る。卒業後はプラハ国立劇場でヴィオラ奏者として活動、そこでスメタナから影響を受ける。
1872年作曲に専念するため、オーケストラを辞める。国家奨学金審査にてブラームスに注目され、紹介の機会を与えられる。『スラヴ舞曲集』で有名になる。
1892年ニューヨークの音楽院の院長となり、アメリカの地で黒人霊歌や、ネイティブアメリカンの音楽を吸収し、交響曲第9番『新世界より』、弦楽四重奏12番『アメリカ』を作曲する。1904年脳出血により死去。  

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