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今月の星宙予報は、三ヶ月に一度の特別号。去る3/26(火)に行われた「心理占星術・月イチ勉強会~2024年の春分図リーディング」の様子をお届けします。
心理占星術における四季図リーディングでは、天災や事件・事故、社会的現象に何が起きるかを予測・予想するのではなく、チャートに示された事象を、国/企業/個人の成長のためにどう利用できるかを考えます。
たった今、わたしたちの日常に突き付けられている問題は何か、それを解決するための糸口はあるのか、そして乗り越えた先の未来にはどんな展望が見えるのか –– このように現状をより発展させていくための視点を持ちながらリーディングを進めていくのが特徴です。
当たる・当たらないではなく、これからを生きるために必要となる考え方のヒント、考えをめぐらすことの重要性と、国/企業/個人に起こっていることを象徴として捉え直し、個人がよりよく生きていく手立てにする、そんな道具としての心理占星術の利用の仕方をお楽しみください。
三ヶ月に一度の四季図読みは、世界の動向や政治経済などの時事的なトピックスをギュッと詰め込んでお届けしているのが常ですが、2024年の春分図はちょっと趣向を変えたスタートに。
春分から一週間を過ぎたところで開催された勉強会ならでは。「たった今」わたしたちは春分の時期をどう体感しているのか。その体感は、実際にチャートに現わされたムードとどう照応しているのか。そんなユニークな検証をする良いタイミングとなりました。
ハウスで読み進めるマンデン占星術と異なり、心理占星術的アプローチから迫る春分図リーディングを感じてみてください。
心理占星術的、春分図リーディング ~体感と照応させてみる
nico 春分から一週間経ちましたが、「春分の雰囲気」を実感しているでしょうか。結局、(占星術の)勉強は、日々体験するしかないんですよね。
どういう意味かというと、世の中の感じと自分の体感を感じてみたときに、地域性も絶対に出てきます。これが、アセンダントやハウスの感覚だと思うんです。例えば、昨日九州の方とお話したら「こっちは温かいですよ」と言っていたけれど、東京はまだまだ寒くて季節がぶり返している感じがある。このぶり返している感じは、今回の春分図にすごくぴったりだなという感覚ですね。
今回の春分図は、牡羊座というよりも魚座がすごく強くなっているのが分かります。実は、先月の「魚座期の星宙百景」では、自分の中に芽生えた違和感、古く腐った水を入れ替えたい衝動が起こるかもしれませんよ、と書きました。
これが先月、魚座のイングレスチャートです。アセンダントは蟹座、(その支配星である)月も蟹座、太陽が魚座の0度=イングレスで、ここでも非常に水エレメントの強い感じが出ていた。
だから、水エレメント的な活動や出来事が世の中的にも起こっていきます、そんなことを記事の中に書きました。ここで「水」というのを、とても象徴的に取り上げた理由は、2024年の四季図––この春分から始まる一年間のチャートは蟹座のアセンダントが続いていくことに注目したからです。
この魚座の時期(2/19~)は、蟹座の月、蟹座のアセンダントという蟹座のテーマが自分の中にどう働いていくのかを確認していく、練習期間だったと考えられる。つまり、太陽・魚座の時期で起こった出来事や活動、社会的な動きを引き連れながら、次の春分、2024年の流れになっていくだろう、という予測をしていたのです。
さきほどお話したように、東京にいるとすごく雨も多くて、体感的には冬に逆戻りしたような感じがある、グズグズした天気が多いですよと、すっきり春に向かえていないのは、体感としても分かると思います。
そういう視点でもう一度チャートを見てみましょう。太陽と水星は牡羊座、火エレメントに行ってるけれど、金星・土星・海王星は魚座に残っています。今日の時点(3/26)では、火星も魚座に入っています。
火エレメントに向かっていきたい欲求があるのに、水の要素っていうのがずっと自分の中に残っていて、なかなか火の方に向かっていけませんよっていう心象風景の言語化が最初の時点でできるかもしれません。
ここに、ノエル・ティル氏のアセンダントの表現として思い出してほしいのが、「水の要素と火の要素が入り混じっていくと水蒸気が上がる。」この考えは、こうした時期読みのチャートにも有効だと思います。
魚座のエッセンスと牡羊座のエッセンスが混ざり合うと水蒸気が上がって自己像が見えなくなっていく。たとえばアセンダントが魚座で牡羊座の1ハウスに天体が入ってる場合のことを言っているんですけど、今回のようなテーマのときにも応用が利くでしょう。
東京では雨が多くて、何となくこうじめっとした感じで、太陽でカラっといかないね。この体感を言語化できれば、人が今どういう心境でいるのか、企業が国がどういう状況にいるのか。出ている象徴を丁寧に読めば、基本的には人の心象風景に入り込んでいけるんじゃないか、とは思います。
今の感じわかりますよね。本来、春の季節とは、太陽は牡羊座でエグザルテーション。ですから、太陽自体は力がないわけではないけれど、今回は完全に魚座に引っ張られている。そこにアセンダント蟹座の影響もあって、水っぽいエッセンスがすごくこのチャートには残っている。
春になって、例えば「やるぞ! 今期はこういうふうに行きましょう」となりつつも、いや何か新しいことをやる前に、ちょっとやっておかなきゃいけないことあるよね、とどうしても気持ちが後ろ向きになる。いや、気持ちが後ろ向きなのではなく、後ろのこと、これまでのことが片付いてない、そういう意味合いで考えられるかもしれない、というのは先日の火星ワークショップでもお話したところです。
だから、この時期に自分のお客さんが鑑定に来たり、企業の何か仕組みを考えなくてはならない時には「おや、待てよ」と。
今、皆さん、頭の中に岸田政権も思い浮かべてくれていると思うんですけど、前向きな行動や何かの策を打つというより、もっと片付けておかなくてはいけない事があるんじゃないのか。もうこのジレンマがギュッと出てくる。
もう一つ、獅子座の月に蟹座のアセンダント、これも先ほどの水蒸気が上がるイメージです。
獅子座の月=欲望としては火エレメントをやりたい、それなのに実行しなくてはいけないことは蟹座だと言われている。または、牡羊座のMCに向かっていきたいのに、こんなに魚座の(強調された)テーマが残ってしまっている。しかも、この魚座の金星はエグザルテーションしています。(こうした力をもった金星が)太陽の後ろにあるということは、そこに残された価値がある、高揚感と読むこともできるし何かしらの意味がもたらされているということ。
ですから牡羊座の太陽をやる前に、獅子座の月に行く前に、やっておかなくてはならない水テーマがありそうです。それが、今回の春分図のテーマだと思います。
鑑定の現場では、クライアントさんに「やり残してることはありますか?」と整理していけば、もう春分図のテーマとクライアントさんの今の現状というのがすり合ってくると思うんです。
こうしたことは、個人のネイタルチャートだけを読んで、三重円を作るだけではなかなか読み切れない。だから、(この春分図のように)水エレメントが多い、まだ寒くて冬が残っている感じがする。その感覚とあわせて(チャートの特徴を)言語化していけるといいんじゃないかなと思います。
この後、自民党の派閥問題や大谷選手のトラブルなどを例に、蟹座の象徴は内側をみつめる、身内の不祥事を切り捨てていくことにあるのではないか。また、水エレメントの解決=心や思いを片づけておくために行っておくべきことを具体的にご説明しました。
☞ 詳しくはこちらの動画でご覧ください。
2024年は、蟹座と獅子座 ~やりたい欲望のためにしっかり片を付ける!
nico 春分図から始まった四つの季節図をあらためて考えてみます。通常、季節図は秋分図以外は同じアセンダントが続きます。2024年は蟹座のアセンダントとなります。
そして、この一年の始まりの春分図では、月は獅子座。そして、カルミネートしている(最も高いところにある)天体は太陽です。この一年は、基本的には「やりたい!」という火の欲望のために水をきちっとやりきっていくことがポイントになるでしょう。
さらに付け加えると、この5月からスタートする火星サイクルでも、蟹座と獅子座がテーマになっているのです。火星サイクルでは、火星逆行の期間を重要視しますが、2024年12月~2025年2月くらいまで蟹座と獅子座を行ったり来たりするのです。
もう本当にこの一年は、とにかく蟹座と獅子座、月と太陽がテーマになるのは間違いない。自分の太陽の結果を出したいのなら、心残りがあってはいけない。私は毎年「夏至の時期が勝負かな」と思うことが多いのですが、今回は魚座から続いてきていることもあり、むしろ、この3ヶ月間にしっかり取り組んでおいた方がいいと思っています。
国でも企業でも個人でも、不祥事にどう対処できるか。問題がありそうだというものは、内在化させずに外在化していくこと。曖昧にしてうやむやにしない、グズグズと続いている課題にはメスを入れていくことが大切でしょう。
水エレメントの過剰さに対抗する3つの方法
さて、水エレメントがもたらす影響がわかったところで、どのような対策が取れるのでしょうか。こうした場合には、占星術のエレメントの考え方を用いることで、幾つかの方法が見えてきます。
今回は、ウクライナ戦争が長引く中での各国の物価高騰や支援疲れ、日本での外国人労働者の移民政策問題など、社会で起きている出来事を引用しながら、この一年を乗り切るための三つの補完方法をご紹介しました。まずは、風と地のエレメントによる対策を見てみましょう。
nico: ウクライナ戦争が長引く中、プーチンの再選が決まり、欧米各国は支援の限界を感じている。日本では、埼玉・川口市のクルド人問題が(地方自治体での対処の限界を超えたとして)、表面化しています。
こうした問題に対して、守りに徹するのか、それとも太陽の見通しの中で蟹座をやっていくのか。どちらを強めるべきなのでしょうか。
ここで、水エレメントの特徴を挙げると「All or Nothing=オール・オア・ナッシング」、0か100か、入れるか/入れないか、共存か/排除か、という極端な二択になりやすい。
でも、そうした厳しい選択の前に、未来を見据えているのかという太陽の力、そして本当に議論を尽くしているのかという風の力、そうした水エレメントへの対抗策を取り入れないといけない。あれこれ試行錯誤しながらアイデアを出し合い、十分な議論を行き渡らせる。これは水と風の補完関係であり、必ずやってほしいことです。
自分の心にワーッと余裕がなくなったときこそ、思考を働かせないと極端な考え方に走ってしまうので、意識的に風の力を取り入れてみてください。
そして、蟹座に対抗していく一番の力、もう一つの補完は山羊座です。
先ほどの川口市の問題でいえば、もはや小さな自治体で解決できるわけもなく、結局、国がしっかり動くシステムを作っていない。管理する責任、ルールの見直し、安定した制度設計のためのはたらきが必要な時なのだろうと思います。
会社でも個人でも、誰が責任を取るのかわからない状態にしない。自分のルール、家族のルールや会社のルールもあるかもしれない。11/20に冥王星が水瓶座に移る前、冥王星が山羊座にいる間に、地エレメントの現実的な対策が行えるといいでしょう。
方向を示す火の力、日銀は何をしたのか
nico: さて、残るは火エレメントの対応です。こちらについては、別の事例をご紹介します。春分図の象徴と合わせて大事だと思ったのは、3/19に発表された、実に17年振りの日銀のマイナス金利政策です。立場によって良い悪いが分かれるところですが、人々の暮らしに間違いなく影響があるはずです。
これをどこで見るのか。議論云々ではなく、日銀総裁である植田さんは何をやったのかっていうと、9ハウスということになります。
9ハウスは基本的にはマニフェストですよね。こういう公約を掲げるのはすごく大事だなと思います。賛否両論あるようですが、一応チャートを見ると、絶対マイナスにはなっていない。
金星と木星は古い支配星の中でもミューチャル・レセプションになっており、非常にポジティブに働いているはずです。異次元緩和から円安、弱い日本となっているときに、先ず植田総裁がやったことは、とにかく公約を掲げた、マニフェストした。
9ハウスは、MCをやるための準備の部屋。つまり、MC=こういう国を目指すという宣言をし、向かうベクトルを明らかにした。結局、人に分かるようにハッキリと明確にすることが火エレメントには大事なのです。「私はこういうのをやろうと思ってますけど、あなたはどうですか」そういったものがないと人に流されて終わってしまう。
冥王星が水瓶座を行ったりきたりしている風の時代、そしてこの春分図のように水エレメントが過剰になっていると、グズグズしてなかなか前に進んでいけない。
だから先ずは、シャキッと向かう方向を自分から指し示すといいんじゃないか。やるやる詐欺みたいになるのも火エレメントの特徴でもあるし、後からちょっとずつ軌道修正すればいい。
今年、政権交代はあるのか ~三重円から見る特徴
nico: 今日はせっかくなので政権交代した時の三重円を見てみましょう。
まず政権交代は新陳代謝であるという考えです。強い野党があって、与党と行ったり来たりすることで、常に固定されずに入れ替わりが起こる。長く続くためには代謝が必要で、それがないと衰退してしまう。
日本では、戦後3回しか政権交代が起こっていませんが、その少ない事例でも幾つかの特徴が分かっています。野党が政権を取ったらどうなるかではなく、そうした代謝を良くするといったときには必ず、ICが強いチャート、MCにプレッシャーをかけてるように見えるチャート、もしくはICの支配星がMCにプレッシャーを直接かけてるようなチャートになっている。そういう特徴と政権交代のイメージは作りやすいかなという感じになります。
分かると思いますが、頭でっかち(MC周りに集中)していては物事が動かない。ICが強い、4ハウスや5ハウスが強いと土台が安定している感じが出ると思います。
その特徴から見ると、今回の春分のチャートでは政権交代までの勢いはないように見える。ただ、4/9の日蝕のチャートは少しMCにプレッシャーがかかっています。
野党が勝つ、とまではいかなくても、政治にまったく動きがないわけではない。以前、鳩山政権のときには、その直前の日蝕のチャートが影響を及ぼしていたこともありました。そこで、今回4/28に予定されている衆院選の補欠選挙は見物だな、と私は見ています。
今回は、蟹座そして水エレメントについて、徹底的に理解を深める150分となりました。前半では、自分の内なる問題に正面から向き合うことが大切なことを、後半では経済や政治の動向を解説しながら、この一年を乗り切るために必要となる3つの方法をお伝えしました。
2024年を通して繰り返されるテーマですので、ぜひ保存版として繰り返しご覧ください。
星宙百景・特別号は、今後も三ヶ月ごとの四季図読み勉強会のレポートとしてお届け予定です。
📺見逃し動画を配信中(有料)
2024年春分からの一年間、そして5月からの火星サイクルは、同じテーマが繰り返される!
蟹座ー獅子座、月と太陽、水と火エレメントの理解を深めて、この一年を乗り切るヒントを手にしてください。
日蝕の影響について詳しく知りたい方は、こちらの勉強会動画(2021年7月)もおすすめです。