nicoの星宙百景 2023 山羊座 ~弱く頼りない存在であることを認め、ふたたび一からチャレンジする

今月の星宙百景は、三ヶ月に一度の特別号! 12/19に行われた「心理占星術・月イチ勉強会~2023年の冬至図リーディング」の様子をお届けします。

心理占星術における四季図リーディングでは、天災や事件・事故、社会的現象に何が起きるかを予測・予想するのではなく、チャートに示された事象を、国/企業/個人の成長のためにどう利用できるかを考えます。

たった今、わたしたちの日常に突き付けられている問題は何か、それを解決するための糸口はあるのか、そして乗り越えた先の未来にはどんな展望が見えるのか –– このように現状をより発展させていくための視点を持ちながらリーディングを進めていくのが特徴です。

当たる・当たらないではなく、これからを生きるために必要となる考え方のヒント、考えをめぐらすことの重要性と、国/企業/個人に起こっていることを象徴として捉え直し、個人がよりよく生きていく手立てにする、そんな道具としての心理占星術の利用の仕方をお楽しみください。

AI にも負けない、時期読み占星術とは

占星術における冬至とは、秋から力を失い冷え込んだ太陽が、冬至を起点に力を取り戻していくときです。停滞していたムードから、未来に向けた期待感と共に「何をやっていけるのか」と、ふたたび動きだす。そのために必要となる前向きな力をどう手にするのか、そこを考えていくのが冬至のもっとも重要なテーマとなります。

2023年の流れを振り返りながら、2024年に向けた動きをどうつくっていけるのか。

冒頭では、「時期を読む――四季図をはじめとしたトランジット図を読む――難しさ」について触れながら、実は、その難しさこそが AI に負けない占星術の、私たちが自信をもって使える技術となる。そんな可能性のお話からスタートしました。

* * *

nico  占星術のモヤモヤするところだとは思うんですけど、「これが正しい」とか「予言された」ではなく、自分のアイディアを切り取る意識で、わたしはこういう風に世界を見ていると考えるのは、とてもクリエイティブな作業です。このクリエイティブな作業っていうのが時期読みの難しいところであり、面白いところだと思ってるんです。

どういう意味かというと、もうこれからは、残念ながらAIがどんどん普及していく中で、私たちが普通に情報を出していても絶対に勝てない。基本的に12サインの象徴の表現、あとはハウスの読み方――1ハウスにこういう天体が入ってるから、こういう意味とか――そんなものは、もう絶対にAIには勝てないし、もう既に負けてると思ってほしい。

hikariさん  実は、昨日も「山羊座を太宰治ふうに説明して」というのをAIにやらせたら、素晴らしいのが出てきて、もうこれは無理だなと。だから、自分の言葉を今のうちにつけておかないと、どんどんやられるだけだなっていうのはすごい感じています。


nico  そうですよね、では人間が負けない技術とは何か。
いま私たちは、星を見るのとあわせて精神分析的な読み方、その人の心の構造を考えようとしています。(その人に由来する複数のチャートに共通する)シンクロニシティの中から、その人の構造を取り出す技術なら、まだ勝てる可能性があるかもしれない。

もう一つは、この時期読み(トランジット)です。これは基本的にデータが出回っていないので、「(これからの)冥王星はどういう意味ですか」と聞いても、今はまだおそらく凡庸なものしか出てこない。ですからトランジット図を工夫して読む、クリエイティブに読むのは、まだまだもうちょっといける。

すぐに何か調べて、とりあえず切り貼りすると、AI には絶対勝てない。むしろ、自分が切り取ろうと思った視点を大切にしてほしい。自分の意識が反応し、好奇心を持って何か研究できるもの、自分が向き合えるものは専売特許とまでは言わないけれど、ひとつ自分の輪郭にはなっていくはずです。

その入口を作ってくれるのが、水星の刺激であり創意工夫の力です。占星術的な勉強としては、正しさは脇に置いて、まずは自分で自由に読んで表現して、いろんな人と確かめていく、そういうことが大事かなと思ってます。

私自身も、最近こうしたチャートを分析した後、自分で振り返りのレポートを作成しています。おそらくそういうものが今後、役に立ってくる。だから、皆さんもチャートを読めても読めなくても、こうしたクリエイティブな感じを掴めるといいです。自分で考えて、自分で作ろうっていうのは、今日取り上げる冬至図の着地でもあるので、その辺を心してやっていきましょう。

2023年は弱い日本、牡羊座のふるまい=存在の儚さ、頼りなさを認める一年だった

nico:  ご存知の通り、春分から始まって冬至まで、2023年は基本的に牡羊座のアセンダントが続いていました。アセンダントとは、その時期に身に付けておくべき力。つまり、これから私達に、または日本にとって必要な力が「牡羊座ですよ」ということを訴え続けてきている一年だった。

このアセンダント牡羊座は火星に基づいてる意味があり、つまり新しい未来を切り開いていく力はあなたにありますか、自分という存在でサバイブできますかっていうことです。

ただ、牡羊座は「生まれたての子供」という意味もあるように、12サインの中で一番ひよっこで弱っちい存在です。ですから、未来を切り開いていこうとしたときには、自分の存在の儚さというか、頼りなさっていうものを引き受けていく、そんな受容の感性も必要になってくる。

先ほど、資生堂がなぜ弱くなったのか、という話が出ました。これは国にも個人にも出てくるテーマです。様々なニュースであったように、2023年はとにかく弱い日本、弱体化した日本というものを切実に引き受けていかなくてはならない一年だったと思います。

他の大国、BRICSのように力を持ち始めてる国々や、台湾、インドなどが台頭するそういう世界の中で日本は全然浮上できない。そういう弱さ、頼りなさの中から、自分の力をどうやって育てサバイブしていけるのか。それがこの一年のムードであり、振り返りになります。

天空では陰サインが勢揃い、その意味とは

nico: 冬至図で注目したいのは、火星以外の天体がすべて陰サインであること。これだけ陰サインのムードが強いと、何となく停滞するイメージがあるかもしれませんが、その意味を考えてみましょう。


陽サインは、太陽や獅子座のイメージに代表されるように、「良く見せよう」というサービス精神、はったりやプレゼンテーションで自分の理想を語る、そういう大きく見せようとするエネルギー。

陰サインはその反対ですから、どんなに取り繕ったところで実態は変わらない、その人本来が立ち現れてくると考えられる。

この一年を通して、または天体が陰サインにいる間に、どんな実態が現れてくるのか。国なら国民性、企業または個人も取り繕えないような姿になったとき、「ライオンのたてがみを削いだら貧相な猫でした」のような「ハリボテがなくなった姿」をどれぐらい自身で引き受けられるかはすごく大事だなと思います。

この陰サインが社会にもたらす影響とその現れ方は、12月初旬のアルゼンチン大統領選の結果、欧州の急進派や極右政党など活発化する政治動向と、日本の政権や社会の停滞感を例に具体的に解説しました。

nico:  ここで考えてほしいのは、活動サイン(牡羊座ー蟹座ー天秤座ー山羊座)の所属の意味です。大事なのは結局、多くの人が山羊座的な所属――会社や組織などの属性――に未だこだわっていて、次の新しい牡羊座の所属――自分ひとり、わたしは何者か――へ向かっていけないということ。

でも、唯一の陽サインである火星(9ハウス)が示しているのは「チャレンジ」です。日本のトップをはじめ様々な業界のエリート層が冒険しない日本はこれからどこに向かっていくのか。

日本人は何かにチャレンジした結果、または自分が一つ動いた結果の負ける体験をマイナスに取りやすい。それが、チャレンジや次に行けない理由にもなっているかもしれない。「結局そんなもんだろう」ぐらいな、そういう引き受けのマインドや受容の力をつけていくことも大事になってくるでしょう。

そういう意味でいうと、今は所属の安定を大事とする国民性が立ち現れてきた、と言えそうです。今のような停滞しているムードを変えていくときには、ひとりひとりが自分の所属や安定感を、自ら揺らがせるような動き=チャレンジを作った方がいい。外の世界を見るために所属を変える、増やすなど、これから3ヶ月、火星がちょっと強くなっているときの目標の一つになります。

グズグズの金星、本質的なものを暴こうとする天王星

nico:  陰サインの特徴、せっかくなので身体というか、実感の象徴としての金星を冬至図で見ておきましょう。

nico:  2ハウスと7ハウスの支配星をみてください、牡牛座と天秤座でまさに金星のテーマです。この金星が意識的にできている人は、自分のこれと思った惚れ込んだ分野に身体を持っていき所属を変えられる。でもそうじゃなくてグズグズやってる人は、悪い意味でこの要素が強まっていくでしょう。つまり、蠍座の金星=人の欲望に応えていくという性質です。

四季図の読み方では、エッセンシャルディグニティをしっかり考えるので、この金星自体は(-5)弱くなっている、つまり自分自身の価値で生きていくのにすごく不安を感じている。

例えば、派閥があったから選挙で勝てていた政治家のように、人のふんどし、人の土俵で何とか生きてきた人たちは、そこにしがみつくかもしれない。

でも、対向の天王星の刺激が入ってきて(金星自体が)脅かされています。派閥が安泰じゃない、安倍派というだけで選挙に勝てないかもしれない。そういう状況の中で覚悟がないままだとどうなってしまうのか。人の作った価値の中で進んでいく危険がここには出ている。

蠍座の金星、8ハウスに対して、天王星は何か本質的なものを暴こうとします。この3ヶ月間は、自分自身がこれでよしと思えるものを、自分の内側で選択し、充実感を味わっておかないと、自分の金星の目減り感はすごく出てくる。経済的あるいは人との関係性など、何かそこにあると信じ込んで虚像を見ていたもの、何かそういうものが剥がれていくかもしれない。

自分の価値が暴かれ、他人の価値も暴かれていく。先ほどの政治家の例でいうと、安倍派には、実はあんまり価値がなかった。そんな流れはいろんなところで起こってくるでしょう。

ここまで十分、牡羊座的な「個」の力について理解が進みました。しかし、人も国家も単独ではいられないのが現実です。誰がどこと組み、自分の所属をどう考えるのか、こうした選択が如実に出るのが、世界情勢でもあります。

世界に目を向けると、2024年は選挙イヤーと言われるほど、アメリカの大統領選をはじめ各国で大統領選、総裁選などが予定されています。これまでの考察では、冥王星の動きと共に世界の同盟関係が大きく動いていることを把握しています。そこで、ゼレンスキー、プーチン両大統領や中国、EU、BRICSなど各国の状況から、新たな世界地図が変化する時期をピックアップしてご紹介。

特に、山羊座~水瓶座への移行は、私たちにどんな心理的はたらきを及ぼし、世界はどのような変化を生み出そうとしているのか。残り僅かな山羊座の間に、自分自身の「感じる力」を取り戻す必要性、受容の力の育て方、天王星の影響について考察を深めました。

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見えないものを浮上させる、魚座・土星の力

nico: では最後、魚座の土星についてです。

陰サインの特徴で、一番最後の海の底にあるものが浮上してくる魚座の土星は、自分が思ってることが現象化してくることでもあります。潜在的に抱えている問題が現れてきたときには、見て見ぬふりをせず、掘り起こしてきちんと土星化させておくといいでしょう。

自分の内側で感じ取っていくのはもちろん、心の問題っていうのは自分でしかできないこと。本当に自分の思っていることを理解してないと、全然違う動きに繋がってしまうことがある。

土星が陽サインに移動してしまうと、外向きのはたらきが起こりやすいので、陰サイン的な時期にしっかり動けるといい。冥王星が陰サインにいて、水瓶座に移る前のこのタイミングで少し下地がつくれるといいと思っています。


今回は、2023年の総まとめ。昨年から経験を積んできた「時期読みマスター講座」の受講生の参加もあり、これまで以上に、世界や社会の問題をグッと私たちに引き付けた内容になりました。

2024年の春分に向け、この三ヶ月は「牡羊座的マインド」をフル活用し、新たにはじめる意識と力を取り戻したいときでもあります。

星宙百景・特別号は、今後も三ヶ月ごとの四季図読み勉強会のレポートとしてお届け予定です。

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