星宙百景 2024 夏至図~ デトリメント双子座木星の一年をどう過ごすか

心理占星術家nicoによる「時期読み百景」。毎月、太陽がサイン移動した瞬間のホロスコープ(イングレスチャート)を分析し、わたしたちの暮らしと天体の運行から「今」を読み解きます。

今月の星宙予報は、三ヶ月に一度の特別号。
去る6/25(火)に行われた月イチ勉強会での夏至図リーディングの様子をお届けします。

ハウスを中心に読み進めるマンデン占星術と異なり、心理占星術的アプローチから迫る夏至図リーディングを感じてみてください。

出来事の当たる・当たらないではなく、考え方のヒント、考えをめぐらすことの重要性などとともに、占星術で時期をよむことの面白さ―――人、国、時代に起こった出来事を私事にするための道具―――をお伝えした充実の内容です。

心理占星術における時期の考え方

ー 心理占星術なのに、なぜ社会問題を取り上げるのか。
開催の数日前、参加者との質疑応答の中で、こんなエピソードがありました。

どうしても政治の分野を自分に落とし込むことができません。
nicoさんはどうして政治が好きなんですか?
原始人のような質問で本当にすみません
T.Nさん

昔、しりあがり寿が「民主主義を諦めないぞっていうことだけで投票に行く」と言っていましたが、私自身、人間のつくった制度に希望を持ちたい気持ちがあります。
田中康夫は、政治について「人間として生きて行くことの確かさを実感し合える営み」と言っています。
とにかく、政治に希望を持つことは、イコール人間の幸せを願うことだと思うのです。(中略)まずは話題にし、興味を共有する。これだけでも立派な政治活動だと私自身は思っているのです。

明日は月イチ勉強会は夏至図読み 政治とは「人間として生きて行くことの確かさを実感し合える営み」? つたないながらも希望を持って「今」の話をしたい 心理占星術家nico ブログ より

そこで、この日は多くの人が疑問に感じているであろう「なぜ心理占星術で時期を読むのか」からスタート。あらためて、心理占星術で「時期」を使うことの意義から、夏至の土台となる考え方までを共有しました。

nico  政治や経済って、堅苦しい感じかもしれない。でも、この「人の大事な営みに参加する」意識で、「わからなくても話を聞いてみよう」とか「ちょっと自分の考えを伝えてみよう」だけでも、政治や経済へのひとつの参加であり、そんな小さなささやを共有できるような時間を設けたいと思っています。

占星術における時期というと、よく「冥王星が来てるからこういうことがあったんです」というような話を耳にしますが、心理占星術的トランジット(現在の天空の天体配置)の利用で一番面白いのは、自分にとって思いがけない体験がもたらされた、その先を考えることにあるのではないでしょうか。

天体の配置は、二度と同じ配置にならない一期一会のもので、誰にとっても初体験なわけです。そういったトランジット体験に対し、自分がどう対処しようとしたのか、どう向き合って乗り越えたのか、その振る舞いや態度がどうだったのか、そこに各人の個性や特異性が現れ、自分自身を二次的、三次的に作り直していくことができる。それが、心理占星術におけるトランジットの体験です。

しかし、基本的には「負の体験」として感じる人が多いと思います。やっぱり初めての体験で、自分自身がどう対処したらいいかわからない、だからこそ、こういうときには、自分が抑えていたエネルギーが出やすいはずです。

わたしが3ヶ月に1回、このような勉強会を開催するのは、こうした天空の配置がもたらすムードを感じ取って、自分自身が客観的な視点を持つのが大事だと思っているからです。

例えば、子どもはトランジットの影響をすごく受ける。ある出来事に対して、こういう振る舞いを取ったんだなーー逃げたり、悲しんだり、怒ったりーーそういう変化や態度を観察することは、ネイタルチャートを見る以上に大事な視点になるかもしれません。その子の癖を捉えるのに、トランジットは有効な手段になると思います。

または、自分の身近な人との関係性の中で、その人の癖や心の防衛の方法やスタイルなど、いろいろなものが見出せる。それが心理占星術的トランジットの使い方です。

今日は、自分が今、そしてこれからのトランジットに対してどういうふうに振舞っていくんだろうか。乗り越えるのか、やり過ごすのか…そんな対処方法を理解してもらえるといいなと思います。

一年の物語の背景が明らかになる夏至

既に何度かお伝えしているとおり、春夏秋冬の四季図は、漢詩の起承転結になぞらえ、一年の物語として考えます。つまり、春分で起こりはじめた物語は、夏至の段階で説明が加えられていく。毎年、夏至から3ヶ月間は「そういうことだったのか!」が明らかになる段階です。

これを日本の物語とすると、まさに春分前日に発表された「日銀による金融政策の大転換」が起点となり、この一年は経済を何とかしていく動きになると考えられます。この時期、自民党の政治資金問題も取り上げられていましたが、いま多くの人の意識は、利上げや新NISAなど、経済の動きに向いているのではないでしょうか。


つまり、夏至を考えるには、自分自身にとって「春分のタイミングで何が起こったのか」をしっかり捉えてからでないと、ここから一年の過ごし方、手の打ち方を考えられない。

ということで、夏至の土台と「承」の意味を踏まえて、夏至のチャートを見ていきましょう。

ここでもう一つ重要な点として、夏至の時期は太陽が蟹座(月)-獅子座(太陽)-乙女座(水星)を通過する期間であること。ライツ(光)と呼ばれる月・太陽の光の中で明らかになった物事は、水星の力で着地させていく…
→ 詳しいカラクリについては本編でご覧ください。

蟹座のアセンダント、生きる必要に自分の仕事は則しているのか

2024年夏至図(2024年6月21日)

nico:  近年、米国では、AIの普及によりホワイトカラー職の雇用削減が進む一方で、肉体労働の人材不足と雇用促進の結果、給与が2倍となり、学位より労働者を選択する動きが出ているようです。

日本でも能登の震災以降、エッセンシャルワーカーの中でもブルーカラーの存在意義、価値が高まっているように感じます。

蟹座の歴史作家である塩野七生は、「仕事をする上でもっとも正当な理由は、食べていくためである」と言い、「職業に貴賎はなく、あるとしたら仕事の仕方だ」と語っています。自分の仕事が「生きる必要」に則しているのかを考えるのは、この時期のひとつ大事な振る舞いなるのではないでしょうか。


つまり、実際にブルーカラーワークをするかどうかではなく、これからはきっと、働くことや生きることにブルーカラー的マインド「食うために働く」が必要になってくる。

これからAIが強くなって、人間が労働をしない時代が来たときの話をしてほしい、そんな要望を受けたことがあります。私自身は、全然それにピンと来ない。現場で自分の体を使って仕事をする人がいなくなったとき、ロボットだけでやれるのかどうか。

コンサルタントをはじめとする実態のない労働が、これからの未来を支えてくれる保証などどこにもない。能登の震災も含めて、これからの人材不足も含めたエッセンシャルワーカー、肉体労働の働き手も含めて、何か改善が見られないと、2025年以降本当にきつくなっていくだろう。これを対策として、きちんとやっていかないと社会インフラが成り立たない。この夏至を機に議論が出来上がったらいいなと感じています。

木星のサイクルで見る経済政策、アベノミクスと竹中モデル

nico:  日々、鑑定の現場や勉強会でチャートを見続けていると、人々の心に共通の悩みや課題があることが浮き上がってくるのが分かります。今回のテーマは、木星です。

木星は、1年をかけて双子座を通過します。①順行ー②逆行ー③順行の動きの中で、最初の①の段階では、「あなたの信念や理想は本当にそれでいいんですか?」と揺さぶりをかけられることが多くあるでしょう。周囲の動きを見て自分の出遅れ感に焦ったり、他人のキラキラと活躍する姿に自分がちっぽけに感じてしまったり…

その都度、自分の理想や信念、ドグマ(教義)が問われることになる。そこで考えてほしいのは、これまでの12年はそのドグマで良かったのかもしれない。でも、これから先は、何か自分の中の新しいドグマへと書き換えていかなくちゃいけないという流れかもしれない。

例えば、先ほどの金融政策を例にとると、これまでは安倍政権やアベノミクスというドグマが、ある程度の信頼を得た12年だった。または、それ以前の竹中平蔵氏の提唱した経済政策もバブル崩壊時には有効な施策だったのかもしれない。でも、それから12年、24年を経た今、もしかしたら、こうした政策は自分たちの目指すものではなかったんじゃないか。

そんな木星の疑念が出てきたとき、どのように新しい信念や理想に書き換えていけるのか。そのヒントとなるのが、太宰治の言葉とタロットカードの「星」のカードの対比です。

けし粒ほどの小さい光る石が残っていて、その石に幽かに「希望」という字が書かれていた

このカードは、大きな星=大きな理想に惑わされずに自分の内面を見つめるカードです。つまり、今はみんなが憧れるような大きな星ではなく、けし粒ほどの小さな理想からはじめてみるということ。

木星は、双子座でデトリメント(-5点)ですから、今はその力を十分に発揮できる段階ではない。木星的にみんなが称賛してくれるようなもの、他人の理想を望んでしまうと、かえって失敗するでしょう。ですから、日銀総裁の恐る恐るとも見える慎重な姿勢は、大変理解ができる。

つまり、今はこんな小さな芥子粒でもいいのかな、そういう小さな理想を見つける。小さく産んで大きく育てていくイメージは、この双子座・木星の段階ではとても大事になっていくと思います。

ここで、木星が一巡し、理想を書き換えていく実例として、nico自身の活動が紹介されました。12年前、木星・双子座期にはじめた活動がひとつ完成を迎え、次へのステージへ向けた新たなイメージが浮かんでいるそう。
参加者へは、自身の10年前、12年前からここまでを振り返り、新しい理想をもう一度考えてみることが提案されています。

→ 詳しくはこちらの本編でご覧ください

日銀・植田総裁、柔軟サインの補完

nico: 先ほど、この一年の起点は、春分前日の金融政策の転換にあることをお話しました。その後、日銀総裁である植田さんのモヤモヤとした会見を見ると、現代日本の代表者だな、と思います。あちらを立てれば、こちらが立たずといった難しい状況をどうやって乗り切るのか。

植田さんは太陽・乙女座なんですね。この夏至図の柔軟サインー双子~魚~射手の補完を一手に引き受けているようにも見え、何らかの金融政策が動いていくかもしれないという淡い期待があります。今から植田さんと柔軟サインの関係を見てみましょう。

先ずは、双子座の木星、魚座の海王星に煽られている中で、どんな政策ができるのか。

12年前の春分ではアベノミクスが、ちょうど双子座の木星からスタートしています。2013年の6月14日です。木星が最後の順行を進んでいた時期に、政策が固まっていった。

ここから更に、木星の運行とアベノミクスの動きを具体的な時期で検証しながら、今回の日銀の動きを予測。ちょうど木星の動きと連動するように、火星サイクルの最重要期が重なっていることから、わたしたちが物事を進めていくときのターゲットとなる日程が示されました。

このアベノミクスの動きを踏まえると、今回、春分で発表された金融政策の流れは、双子の木星の後半で動くかもしれない、と想定しておいてもらえるといいと思います。

また、木星は、双子座でデトリメント(-5点)ですが、次の蟹座ではエグザルテーション(+4点)することから、蟹座に木星が入ったときには、一時的にでも経済の上向き感が出てくるはずなんです。

ですから、双子座木星デトリメントの底を打つ感覚「耐える」のが、芥子粒ほどの小さな理想であり、慎重で良いということ。この一年頑張って慎重路線を取れば、上手くいけば、蟹座の木星で上向き傾向になっていく。

一方でもし、植田さんが木星の声ーー政治、企業団体、組合、国民の声などーーみんなの理想を聞きすぎてしまうと、きっと上手く進めることはできない可能性もある。

ですから、皆さんも植田さんの葛藤を一緒に体験して、自分の家計ならどういう手をうつのかーー弱腰だとするのか、それとも、芥子粒ほどの希望から小さな手を打った、とするのかを捉えてみてほしい。7月終わりの金融政策の発表も気にかけてみてください。

今は、理想を書き換える過渡期にいるのですから、自分の経済を見直していこう、何か自分自身の仕事のやり方を見直そう、ということに、この夏至の流れはとても使えると思います。



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2024年夏至の特大号では、夏至の3ヶ月に限定せず、長期スパンでの時期を見ていきました。
この記事では紹介しきれなかった、詳細な時期や具体的なアドバイスを是非、本編でご確認ください。きっと、今を生きるヒントが得られるはずです。