スクールカウンセラー(SC)の30年と土星イングレス

2017年の9月からスタートした「時期読みパーフェクトマスター講座」。
このライブラリでは、参加者より提出されたレポートをピックアップし、ご紹介していきます。

今月は、スクールカウンセラーとして活躍している maroc さん。
ご自身のキャリアの振り返りと共に、スクールカウンセラーという新しい職業の発足から制度として確立され、社会的認知を得るまでの軌跡を土星の運行とあわせて検証。そのレポートをご紹介します。

取り上げた背景

スクールカウンセラー(SC)の役割がここ数年で様々に揺れ動く中、もしや? と調べてみたら、施⾏が1995年で、前回の⼟星⿂座期にあたることがわかりました。

「SC=教育現場のニーズに沿ってスキルやアイディアを提供する専⾨職」として、⾮常に柔軟サイン的な要素が強い職業=学校現場に必要なインフラの⼀つと考え、この⼟星のサイクルに当てはまるのではないかと考えたのがきっかけです。

この30年の中で SC がどのように変遷してきたのか、スキルやアイディアとして変わりゆく社会環境に調和し、必要に応じて適応してきたのかを⾒てみることで、次の30 年サイクル に向けた課題や展望が⾒えるような気がして、興味を持ちました。

考察

  • おそらく土星・⽔瓶座時代(2020年12月~)に不登校が課題として明るみになった背景を受けて、⿂座時代に試⾏を開始しており、今回の⿂座期(2023年3⽉〜2025年5月)にも、様々な試⾏が⾏われそうな気がする。⼤阪の例では、2023年4⽉から⻄成⾼校と岬⾼校が府内初の公⽴⾼校の常勤SC(スクールカウンセラー)が設置されることになり、バタバタとしたスケジュールの中で募集が⾏われていたのも記憶に新しい。⿂座=本格スタートではなく「試⾏できる期間」としての象徴性も読める。
  • 全体的にみて、そのサインの象徴性が⾮常に現実の流れにシンクロしており、⾯⽩かった。双⼦座で配置が拡⼤し、⼄⼥座では現実的な予算や SSW(スクールソーシャルワーカー:SC との区別としては、SC は⼼に働きかけるが、SSW は対象の環境=家庭・社会のリソースに働きかけて環境調整を⾏う)が配置され、役割の区別化や整理がなされている。また、蠍座を抜けた射⼿座期には、それまではだいたい同じようなシステムであったのが、都道府県のニーズに合わせ、配置のされ⽅にもバラエティが出てくる。また、ここで「チーム学校」の概念が導⼊されたことも、今後の SCの⽅向性を紐づけるに際して⾮常に⼤きな出来事であると思う。この射⼿座期に導⼊された概念 は、今の⿂座期のベースとしても「SC に求められるニーズ」として⾮常に重要であるし、このことは次のサイクルにも続いていく⼀つの「価値観(新年)」としてこの射⼿座期に作られたように感じる。
  • また、医療や産業分野では「1対1」の⾯談でカウンセラーとして対象と対峙することがメインで必要とされるが(もちろん、医療現場では医者や事務職などのコワーカーとのチーム連携が必要とされる意味では同じだが、学校現場では「⾯談室屋時間枠が必ずとも確保されない中で、教師に混ざって⾒られる⽴場でもある」という、「カウンセラー」としての⽴場が⾮常に曖昧になりがちな中でカウンセリングをしなければならなかったり、時に SSW 的な動きや、管理職や教職員、他職種との交渉をする必要性も出てくることから、コーディネート&マネジメントのセンスが⾮常に問われる。SCは専⾨職の⼀⼈職場であるがゆえ、他職種の中に出向いて基本的には全てを⼀⼈で判断しなければならず、「誰かを真似して学ぶ」という機会が基本的には確保されていないのが現 状。そのため、プレッシャーは⼤きいが、成⻑や学びはそれぞれに任され、変わりゆく社会情勢や現場に合わせて常に学び成⻑し続けることでしか⽣き残れないもの。この射⼿座期に、そうした「成⻑の必要性」を感じた SC は多かったのではないだろうか。
  • 射⼿座成⻑期を経て、ある程度の専⾨性が認められた結果が、⼭⽺座時代ではないだろうか。⼄⼥座時代に様々な整備がなされたが、ここでようやく公的に SC や⼼理職が認められた。
  • と思っていたら、⽔瓶座⼊りと同時にコロナに⼊り、学校現場では初の⼤掛かりな休校措置が取られ、潜在的にあった様々なこどもを取り巻く背景が明るみになった。
魚座 1994年1月〜1996年4月

1.スクールカウンセラー活用調査研究の時代(国の補助金)

1995年、不登校など時代背景のニーズから設置に向けた試行実験がスタート(まだ期限付きの試行の段階)

スクールカウンセラーは、不登校などの児童生徒の問題行動等への対応として 1995年から「スクールカウンセラー活用調査研究」委託事業として開始。1995年度(初年度)には各県に3校程度の配置。 次の年以降も「スクールカウンセラー活用調査研究」委託事業は続けられ、配置校の数は、各県10校程度に増加。ただしこの時点では、2年の調査研究期間が過ぎればその学校からはスクールカウンセラーはいなくなってしまうという状況が続く。

牡羊座 1996年4月〜1998年6月

1998年、その存在の必要性と価値が一旦明確化された

1998年の中央教育審議会答申で、「すべての子どもがスクールカウンセラーに相談できる機会を設けていくことが望ましい」と述べられ、以降も配置は増加していく。

牡牛座 1998年6月〜2000年8月
(牡羊座 R)1998年10月〜 1999年3月
双子座 2000年8月〜2003年6月
(牡牛座R)2000年10月〜 2001年4月

2000年 配置の拡大がさらに進む

2000年度(6年目)には初年度の14.6倍(2250校)に配置。

2.スクールカウンセラー活用事業の時代(徐々に地方自治体の委託事業へ)

2001年、2年の試行の縛りがなくなり拡大へ向けて広がる

2001年度からは国による補助事業という位置づけで「スクールカウンセラー等活用事業」として中学校を中心として全国で4,406校に配置された。また、調査研究委託事業ではなくなったため、2年間の縛りはなくなった。

蟹座 2003年6月〜2005 年7月
獅子座 2005年7月〜2007年9月
乙女座 2007年9月〜2009年10月

2007年、国内の全公立中学への配置予算が実行された

2007年度には、公立中学校全校分に相当する約1万校の配置が可能となるよう予算が措置された。(尚、中学校に配置するための予算を、小学校や高等学校へ配置するスクールカウンセラーに振り向ける場合が、都道府県によってはあったため、全国全ての公立中学校にスクールカウンセラーが配置されたわけではない。)

2008年、SSW(スクールソーシャルワーカー)が SC と同じく学校に配置され始める=SC との役割の区別の必要性が出てきた

2008 年の教育振興基本計画(文部科学省)で、「いじめ、暴力行為、不登校、少年非行、自殺等に対する取組の推進」として、「教育相談を必要とするすべての小・中学生が適切な教育相談等を受けることができるよう、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー等の活用など教育相談体制の整備を支援する」と記載。

天秤座 2009年10月〜2012年10月
(乙女座 R)2010年4月〜 2010年7月
蠍座  2012年10月〜2014年12月
射手座 2014年12月〜2017年12月

2014年、SCの配置方法にバラエティが出てくる(都道府県のニーズによって)

2014 年には、スクールカウンセラーは、小学校では 58.7%、中学校では 91.8%、高等学校では 78.8%の学校に配置(平成 26年度学校保健調査)。なお、週に4時間以上となる配置は、小学校では 14.2%、中学校では 62.8%、高等学校では 32.3%。
この頃になると、都道府県によって、スクールカウンセラーの配 置方法がさまざまになり、勤務時間も4時間や6時間、7時間、8時間など、勤務回数も年に数回程度の巡回から毎週の勤務までさまざまに。
特筆すべき事は名古屋市のスクールカウンセラー制度で、名古屋市では、「なごや子ども応援委員会」職員として、常勤のスクールカウンセラーを11のブロック毎に配置する独自の事業が開始。少しずつ常勤のスクールカウンセラーの配置校を増やしていく計画。

3.「チーム学校」概念台頭の時代

2015年、「面接室でただ1対1のセラピーを行う」のではなく、学校の中で多職種と連携しながらチームの一員としてコーディネート&マネジメントするスキルも求められるようになった=医療や産業分野の心理職と最も異なるスキルであり、一人職場において能力とプレッシャーが非常にかかる側面が出てきた。
「学校における標準的な位置づけの職業」として位置付けの明確化がなされるようになり、これまでの既存メソッドだけでは対応できない状況で、一人ひとりのスキルアップ、成長課題が出てきた。

2015年には中央教育審議会による「チームとしての学校の在り方と今後の改善方策について(答申)」が提出され、「チームとしての学校」、いわゆる「チーム学校」の重要性が指摘されまし
た。
その中では、いじめ・不登校などの生徒指導上の課題や特別支援教育の充実、貧困問題への対応など、学校の抱える課題 の複雑化・多様化、学校に求められる役割の拡大に伴い、心理や福祉等の専門性が求められていく。 心理職であるスクールカウンセラーも「チーム学校」の一員として学校の中で機能することが求められるようになる。なお、答申の中では、「スクールカウンセラーを学校等において必要とされる標準的な職として、職務内容等を法令上、明確化することを検討する。」とスクールカウンセラーの位置づけを明確にするよう方向性が示されています。
2016年(平成28年)6月2日に閣議決定された「ニッポン一億総活躍プラン」では、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーについて、配置時間の充実など、学校における専門職としてふさわしい配置条件の実現をうたっています。そして、その指標として、不登校の小中学生のうち、学校内外で相談等を受けた者の割合を希望するすべての者が受けたと考えられる水準として 80%を掲げています。

山羊座 2017年12月〜2020年3月

2017年、法令の中に SC が位置づけられた。SC のSV(スーパーバイザー)の必要性も認知され始める

1 月に出された「児童生徒の教育相談の充実について(報告)」では、スクールカウンセラーの職務内容が示され 、「SCガイドライン(私案)」が提案された。SCのスーパーバイザーの必要性についても言及される。
2017 年 4 月 1 日の学校教育法施行規則の改正で第 65 条にスクールカウンセラーは「心理に関する支援に従事する」として職務が規定された。今まで、スクールカウンセラーの存在は法令の中には規定されていなかったため、これは大きな変化。

2018 年 公認心理師(初の心理の国家資格)の誕生=心理職の必要性が公的に認められた出来事

2018(平成 30)年 4 月 1 日にスクールカウンセラー活用事業の実施要領が改正され、公認心理師についての規定が加えられています。それまでは、スクールカウンセラーの選考に関して、第 1 番目に臨床心理士が挙げられていたが、第 1 番目には、公認心理師が加えられた。
同年 9 月に第 1 回公認心理師試験が実施された。

2019 年 公認心理師法施行&約90%の公立学校に SC 配置

2019年公認心理師が誕生。2019年には、スクールカウンセラーは、小学校では 84.7%、中学校では 97.6%、高等学校では 91.3%の学校に配置された(令和元年学校保健調査)。なお、週に4時間以上となる配置は、小学校では 22.7%、中学校では 66.7%、高等学校では 43.8%。
名古屋市の「なごや子ども応援委員会」職員である常勤のスクールカウンセラーは、名古屋市内全ての中学校 110 校に常勤で配置された。

水瓶座 2020 年 3 月〜2023 年 3 月

(山羊座座 R)2020 年 7 月〜 2020 年 12 月

2020年3月~2022年3月、コロナのため全国的に休講措置が取られたり、オンライン授業が拡大、オルタナティブスクールや通信制高校への進学も、通常の選択肢のひとつとして認知され始めた。

2020年~2022年、学習指導要領の改訂(10年ごとに改訂される)

2022年、国会でSCの必要性や拡充について答弁される

2022 年の 3 月 7 日国会で、スクールカウンセラーの勤務日数について話題になる。野党の議員から「月曜日から金曜日までずっと相談室にカウンセラーいらっしゃって、子どもたちが自由に相談に行けるのが理想だと思うんですね。一足飛びに全 校配置はならないかもしれない。しかし、1 週間の 5 日のうち 2日ぐらいはいてほしいと思うんですね。今、スクールカウンセラーが 1 校あたり、どれぐらいいるか。」と質問があった。岸田総理大臣は「スクールカウンセラーの現状、どこまで拡充できるのかはしっかりと検討し、具体的に人数とか数字において結果を出せるように文部科学大臣と共に検討したい。」 との答弁。

2021 年 3 月 外国にルーツを持つ児童生徒のための教区家庭の課題が浮き彫りになり、対応の必要性が明確化された

公立高等学校に在籍する日本語指導が必要な生徒の増加に伴い(H22:2,224 人→R3:4,808 人)、2021 年1月の中教審答申、同9月の検討会議報告の提言を踏まえ、高等学校段階において「特別の教育課程」を編成し、日本語の個別指導とその単位認定を可能とする省令・告示等の改正を令和 4 年3月に行った。外国人生徒向け高校進学ガイダンスや、公立高等学校入学者選抜における外国人生徒特別定員枠の設定等の取組が進められており、今後も増加が見込まれる。
➢ このような状況の中、高等学校において日本語指導が必要な生徒に対し、日本語指導をはじめとするきめ細かい指導・支援の取組を進めることが重要。

大阪府では、SC の採用を 1 年毎の更新に切り替わり、人材評価が厳しくなった(長く勤務していた SC が不採用となり、新たな SC に入れ替わり始めた)

魚座 2023 年 3 月〜2025 年 5 月

2023 年 3 月〜 コロナ明けでも不登校児童や若者の自死が増 加傾向のこる
都道府県ごとに常勤SCを置く公立校が現れ始めた