2025 乙女座の言葉 落合陽一┃自分が解決したいと思う小さな問題を探せ

      アポロンの竪琴

2025 乙女座┃落合陽一
自分が解決したいと思う
小さな問題を探せ

自分の理想=太陽を生きるためには、何が必要なのだろう。

著名人の言葉から12の太陽サインの生き方を考える「アポロンの竪琴」。

水星神ヘルメスが発明した太陽神アポロンの竪琴の神話をご存じですか。太陽の理想や意図は、水星という竪琴=言葉があるからこそ美しい音色を奏でることができるもの。太陽の言葉=アポロンの竪琴のメッセージに耳を澄ませてみてください。

あなたの生き方、働き方のヒントを受け取ることができるかもしれません。

心理占星術家nicoが選んだ今月の竪琴
乙女座・太陽の言葉は…

 大人から「好きなことを見つけろ」「やりたいことを探せ」と言われると、「僕は
何が好きなんだろう」と自分の内面に目を向ける人が多いでしょう。そこからいわゆ
る「自分探しの旅」みたいなものが始まるわけですが、これは袋小路に行き当ってし
まうことが少なくありません。

 しかし「自分が解決したいと思う小さな問題を探せ」と言われたら、どうでしょう
。意識は外の世界に向かうはずです。そうやって探したときに、なぜか自分には気に
なって仕方ない問題があれば、それが「好きなこと」「やりたいこと」ではないでし
ょうか。

著書これからの世界をつくる仲間たちへより

乙女座の言葉

落合 陽一(おちあい・よういち)
1987年9月16日、東京都港区生まれ。乙女座に太陽、金星と火星を持つ。

研究者、メディアアーティスト他、多数の肩書をもつ。
筑波大学情報学群情報メディア創成学類を卒業し、東京大学大学院学際情報学府で博士号を取得。2021年7月現在、筑波大学図書館情報メディア系准教授/デジタルネイチャー開発研究センター・センター長。ベンチャー企業や一般社団法人の代表を務めるほか、政府有識者会議の委員等も歴任。メディアアーティストとして個展も多数開催し、EUのSTARTS Prizeやメディアアート賞のPrix Ars Electronicaなど、研究から芸術に至るさまざまな分野において国内外で受賞多数。著書に『魔法の世紀』『デジタルネイチャー』『2030年の世界地図帳』などがある。

 落合陽一の著書『魔法の世紀』『デジタルネイチャー』を手にとってはみたものの、書いてあることの半分も理解できず、ただ彼の、それが育ちの良さから来ているのか、それとも柔軟サインのポジティブな姿勢から来ているのか、彼の「知性」と「世界」に対する信頼の半端なさに共感を覚え、時々彼の言葉を参考にしている。

 柔軟サインは、こうでなくちゃ面白くない。占星術における柔軟サインとは、双子座(水星)、乙女座(水星)、射手座(木星)、魚座(木星、海王星)から成るが、見てもらうとわかるとおり、その支配星は水星―木星が担当している。つまり、知性と教養を身につけ、それを道具として利用し、世界に貢献するサインである。

 とくに陰サインである乙女座―魚座は、物事が抱える問題点、改善点にもっとも鼻が利く。「こうしたらもっと〇〇なのに」という視点で物事を捉え、そこに自分の知識や道具を総動員する。冒頭であげた落合陽一の言葉そのものだということがわかる。 

 今月の「星宙百景 乙女座編」でも「自分が解決したいと思う小さな問題を探せ」という言葉と共に、以下の落合陽一が提案している「五つの問い」を引用した。

 彼は「五つの問いを自らに投げかけよう」と言っている。

・それによって誰が幸せになるのか。
・なぜいま、その問題なのか。なぜ先人たちはそれができなかったのか。
・過去の何を受け継いでそのアイデアに到達したのか。
・どこに行けばそれができるのか。
・実現のためのスキルはほかの人が到達しにくいものか。

 これらの問いは、まさに柔軟サインにとって重要なテーマが詰まっていると言えるだろう。

 まず最初の「それによって誰が幸せになるのか」

 これは、同じく乙女座生まれの宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』のジョバンニのセリフ「みんなにとってのほんとうのさいわいとはなんだろう」と同じ意味合いだと考えていい。つまり先ほども書いたように、柔軟サイン=水星=木星の知性や教養は、世界に対して貢献的であればあるほどその存在意義と輝きを増すのである。

 そして「五つの問い」の最後の「実現のためのスキルはほかの人が到達しにくいものか」は、かなり重要な問いになる。これは「あなたの持っている知性や教養は専門性が高いか」ということを言っているわけだが、手にしているスキルが唯一無二のものであればあるほどに、やはりその存在意義と輝きを増すのである。今で言うと、AIにとって代わられることのない技術ということになるだろうか。というか、これこそまさに「アポロンの竪琴」、あなただけの、とっておきの太陽と水星のコラボレーションということになるだろう。 

 こういったことを意識しながら、常に「自分が解決したいと思う小さな問題を探」し続け、世界をながめていたら、人生は飽きることがない。世界は小さな問題であふれているし、わたしたちにもまだできることはあるからだ。

 彼は同書でこんな言葉も書いている。

ですから、ネットや他人から得た情報を鵜呑みにするのではなく、あらためて自分で考える習慣をつけることが、思考体力を高める第一歩でしょう。またネットで知った知識をそのまま人に話しているようではダメ。思考体力の基本は「解釈力」です。知識を他の知識とひたすら結びつけておくこと。

したがって大事なのは、検索で知った答えを自分なりに解釈して、そこに書かれてない深いストーリーを語ることができるかどうか。自分の生きてきた人生とその答えはどうやって接続されていくのか。それを考えることで思考が深まり、形式知が暗黙知になっていくのです。

著書これからの世界をつくる仲間たちへより

 いやー忙しい忙しい。柔軟サイン=水星=木星をやるのって忙しい。問題を探して、五つの問いを考えて、情報をただ鵜呑みにするのではなく、「Think! Think!ひたすらthink!」自分の力で考えるのってマジで終わりがない。それだけじゃない、乙女座の活動は最終的に魚座とセットで落とし込む必要があるということだ。つまり、乙女座=水星は、最終的に魚座=木星=海王星として、つまり物語として語ることでこそスキーマ、無意識レベルで働く唯一無二の「知」へと昇華するということになるのだ。だから、言語化は必須だ。

 いやー忙しい忙しい。気がつくと24時間、脳がフル稼働状態になるが、それもまたよし。この世界は、まさに遊び場のようで楽しいじゃないか。

 彼は「ワーク・ライフ・バランスは時間を切り売りする人の考え方だ。好きなこと、やりたいことを仕事にしていれば、24時間365日費やしたっていい」と言っているが、これこそハイパーな柔軟サイン的な思考であることは間違いない。

 まあ、太陽が乙女座にいる間くらい、落合陽一的柔軟サインを訓練してみるのは悪くない。これから土星、海王星は魚座へと戻っていくし、天王星はしばらく双子座にいる。柔軟サインを鍛えておくのに悪い時期ではないだろう。

 みなさんは、どのような「自分が解決したいと思う小さな問題を探」し出すことができるだろうか。そのために、どのような水星―木星を鍛える必要があるのだろうか。

乙女座の太陽 ~アポロンの竪琴